恋の味
□「錦戸、あいつコクる気やろ」
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「え、な、なんですかぁ?」
今の状況はというとあんなちゃんから2度目のお誘いがきて俺ん家に来たいとか言い出すから全然ええよと部屋にあげたんやけど‥
なっかなか積極的?な子みたいで俺の膝の上にドスンと乗っかってきた
「渋谷くん見た目と違って何にもしてこないんだね、てか聞いた話と違うし」
ちょっとちょっとぉ何いってんの?てか君何がしたいの?いやほんまになんなの?
「は、な、えぇ?」
もぞもぞと下半身に手をやってきたからあーそういうことかとあんなちゃんの顔を見た
「あんなちゃんエッチなことがしたいんや?ほな欲求不満なお友達呼んであげんで?」
手元に置いてあった携帯を開いて見せると眉間に皺を寄せてガンつけて来るかのように見てきて
「何なのそれあたしは渋谷くんと‥」
「付き合ったらな?いくらでもいつまでもしたるよ」
何なのってこっちのセリフなんですけど!冗談じゃない!今どきの女子はこわいぜ!俺の膝に乗ったあんなちゃんを退けて学校行こと立ち上がった
「行かんの?俺先行くで?」
カッターシャツの袖をまくりながら部屋を出ていこうとすると後ろからちょっと待ってと声がした
「オッケー?ほな行こ」
学校についた頃にはもう昼休みで教室にあがる途中みかにばったり
「あ、おはよ」
「おうおはよ何処行くんや?」
「せんせーに会いに行くのあたしに会いたいんだって」
「なに?あの白豚野郎め俺も後でいくから」
「わかったー」
俺が片手に持ってあげているあんなちゃんの鞄を不思議そうに1度だけ見てスタスタと階段を降りていった
「じゃ俺下に行くわ。また誘ってな」
鞄を渡したあと足を進め出した途端後ろからあんな渋谷くんと付き合ってんの?なんて声が聞こえてた。そんな勘違いやめてくれや
「おいっすーよこやまー」
「お前あんなちゃんと登校してきたんやて?」
「えー?まぁね今日の朝連絡きてな、なんしからんけど俺ん家来たで」
「食ったん?」
「何を言うてはるんですか。そんな事あるわけないでしょ、まあ食われそうになったけど」
「はぁ?お前それまじで言うてんの?すげぇ女やな」
「いきなり膝に乗ってきて下半身をもぞもぞっとおさわりしてきましたけど?」
棚においてある漫画を手に取りいつものようにベッドの端に腰かけた
「みか聞いたかー?すごいなあんなちゃん」
「うーん」
今日はベッドではなく椅子に座っているみかはその話には興味なさそうに携帯を扱っている
「みか誰とメールしてんねん男か?すばるくんの隣おいでー」
「うーん」
正面のベッドに腰をおろして険しいかおで携帯を見つめるみか
「どないしたん?あ、それより今日スカート長いやん」
「大倉君がしてくれたの」
「え?してくれた?してくれたって‥シバいたろか」
「そんなこと言わないで、すばるには関係ないでしょっ」
携帯を閉じて立ち上がるみかにどこ行くねんと聞くとメールで亮ちゃんに呼ばれたと言いながら保健室を出ていった
「錦戸、あいつコクる気やろ」
「んなわけないやろ」
「わからへんでー?」
「黙れって白豚ぁ!俺には関係ないねんどおでもええ言うてるやん。もう錦戸がみかにコクるとかライバルがどうとかそういうあいつ関係の恋の話とかやめてくれ。興味ないねん」
少し強い口調でそういうと何だか横山はしゅんとしている
「だぁ!も、おま、何やねんなぁ!おっさんのくせにめんどくさいやつやな別に怒ってへんて」
「ほんまかぁ?それほんまなんかぁ?」
「ほんまほんま、せやからしゅんてなったりすな!ほんまきしょいしめんどいからね」
「よっしゃほなジュースでも買いに行こか暇やしコンビニ行こ」
暇やしってもうすぐ昼休み終わりますけど?大丈夫かコイツ
「まぁバレへんやろ!お前も行く?」
「いくいく横山のおごりやんな?」
「しゃあないおごったるわ、靴はきかえたら裏門に集合な」
入り口に出張中なんて札をかけながらこのまま帰ったろうかななんて言う白豚
お前ほんま頭いかれすぎやろ、誰やこんなアホを保健室の先生に任命したやつは‥あかんやん絶対あかんやんこの人
「すばるくんすばるくん」
「あ?なんや」
下足で靴をはきかえてるいと後ろから肩を叩いてきたのは大倉
「あの二人付き合ってるらしいねん、みかちゃんと亮ちゃん」
「は?付き合ってるん?さっき付き合い始めたとかちゃうくて?」
「おん、最近かららしいで?ええなぁ彼女欲しい」
「お前がみか狙ってるとか噂聞いたけど?」
「せやねん軽く狙っててんけどな?まぁしゃあないな相手が亮ちゃんじゃあかんね…それにしても亮ちゃん全然みかちゃんのこと好きってオーラ出してなかったけど」
「そうか?まぁええやんめでたいめでたい俺用事あんねんせやから行くわ」
「えー亮ちゃんシバいたろみたいなのないんや?」
「お前も白豚もなんやねんな、俺は関係ないやんけ大体その話しやて俺からしたらあっそーですかっちゅうもんやし」
「そうなん?‥あ、コンビニやろ?プリンね」
そういって去っていく大倉の後ろ姿を見ながらため息をついた
何でみかは俺に教えてくれへんかったんやろ?その日はそればかり考えしまった
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