禁断の果実を貪る者
□音沙汰もなく崩れる幻想U
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その夢から二日後、
調査兵団率いるエルヴィン団長がエレンを調査兵団に引き抜いたのだ。
ピクシス司令もなんやかんやで快く承諾した。
そして私も
「神楽、すまないが明日付けで調査兵団に異動になった。」
死刑宣告を受けたみたいだった。
幸いにも私は、ハンジ分隊長補佐として、入った。
エレンはリヴァイ兵長の班に入った。
「エレン…」
「大丈夫だよ!俺の事は心配するな。俺より神楽が心配だよ…」
エレンは私をギュっと抱きしめて額にキスを落として、またなっと言って班に帰って行った。
それが、エレンと会った最後だった。
そんなある日の昼下がり。
私はハンジさんとエルヴィンさん、ミケさんとお茶をしていた時
フッと思い出したかのように聞いて見た。
「エルヴィンさん、何故あの時エレンだけではなく、私も調査兵団に引き抜いたのですか?」
「あぁ、実はリヴァイが君も入れたらどうだと言ってきてね。何分、駐屯兵より、調査兵として入った方が神楽の為にもなるとか、それに、君は頭もいいし、立体起動も申し分ないしね」
お茶を優雅に啜りながら、話す団長の話の中でリヴァイ兵長が出てきたことに驚いた。
もし…あの夢が現実と同じなら…!
私は思い切って夢の話をした。
最初は信じられないという顔持ちだったが、最後は私の話を信じてくれた。
「まさか、正夢を見るとはね…それはすごいなぁ〜でも、リヴァイが君に酷い拷問をするとは…考えられないよ」
と、リヴァイ兵長の夢だけは信じてくれなかった。
私は、エルヴィンさん達にお礼を言って部屋を後にし、エレンに会いに行くことにした。
エレンがいる所は地下牢らしい。
訓練以外はほぼそこにいるようだ。
だが、最近は見かけないのだ。
まったく。食堂もいないし、廊下でもすれ違わないし…
それに、私から地下牢に行く事はない。
だって…あそこは…
そうこう思いながら着いた地下牢への階段。
一歩足を踏み入れた瞬間。
地獄の始まりが幕を開けた。