禁断の果実を貪る者

□甘い誘惑*金平糖
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夜は静かで好きだ。自分の自由時間なのだから…

今日は、エルヴィン団長から
雑務を手伝った褒美に金平糖を貰った。白や青、ピンクや黄色にオレンジ、緑と色鮮やかなそれは甘くてとても可愛く、トゲトゲした不思議な形。

一つ口に放り込む。冷んやりとした感覚のなかころころと、転がせばトゲトゲのそれはなんとも言えない甘さが口のなかを支配する。

疲れた身体には、糖分が必要だ。

「そうだ…ベルトルさんにも
あげよう!今日、いろいろ助けて貰ったし…」

そう思えば、さっそく男子寮に向かった。



はぁぁぁぁあぁ…


盛大な溜息を漏らすベルトルトの横で、ライナーが話しかけた。

二段ベットね上で寝ているベルトルトは寝る前、よくライナーと話をする。

「ベルトルト…どうしたんだ?」
「あ…いや、その…聞いてくれるかい?ライナー…」

「実は…神楽ちゃんがさ…今日、めちゃくちゃ可愛くて…なんか、今日エルヴィン団長に雑務を頼まれて上にある本棚の資料をとってあげたらさ、めちゃくちゃ可愛い笑顔で御礼されて嬉しかったんだぁ」

ベルトルトは神楽が好きだ。
気さくで可愛くて、大人しく誰にでも優しくする神楽が大好きだった。ベルトルトは早く彼女を自分のものにしたいと思っていた。
ライナーはそんなベルトルトを影から支えていた。

「ベルトルト…なんなら告っちまえよ!てか、告れ。絶対イケる。」
「でも、大丈夫かな…神楽ちゃんが僕の事好きじゃなかったら…」
「んな、ウジウジしてんなら俺が告る…」
「そんなの、許さないよ?」

ベルトルトが一瞬だけ睨んで来たのだ。

「しねーよ。だから睨むな…俺は寝るからな。おやすみベルトルト。」
「おやすみ…ライナー…。」

ベルトルトはどう告白しようか、
いつしようかと考えながら瞼を閉じた。



いつの間にか眠ってしまったベルトルトは、横に違和感を感じそっと瞼を開ける…

「…ッ?!」

隣には、自分の好きな神楽が横になり、眠っていたのだ。
ビックリしたベルトルト。
起こそうか起こさないかで葛藤していたら、

パチリと目を覚めた神楽。

「ビックリした?」

小声で離す神楽

「…てか、なにしてるの?神楽ちゃん!仮にも此処、男子寮…」
「ベルトルさん、昼間はありがとうございました!助けて貰って…」
「ううん、こんな僕でよければお役に立てて良かったよ」

すると、神楽は
「ベルトルさん、目…瞑って?」
「うん…」

ベルトルトは言われるがまま目を瞑った。
「そしたら口を開けて?」


コロン…

口の中に広がるヒンヤリとした甘さ。

「これ…」
「金平糖だよ?エルヴィン団長がくれたんです。甘くて疲れがとれますよ?」
「ありがとう…神楽ちゃん」

やっぱり可愛くて優しいな…
にしても、金平糖も美味しいけど

「神楽ちゃんの唇美味しそうだね。」

「え…?ふむっう⁉」


ベルトルトは神楽の肩をガッチリて掴み唇にキスを落とした。
状況がよく掴めない##name1#。

すると、ベルトルトは舌で口腔内を割って神楽の小さな舌を絡めた。

「ッふっ…んぁ…」

荒くなる吐息。二人の口のなかでは甘い金平糖が転がっていた。


金平糖が完全に溶けるまで甘いキスをし続けたベルトルト。

ぷつりと切れる銀色のアーチは舌と舌を繋いでいた。

気がつくと神楽はトロンとした瞳でベルトルトを見つめていた。

「神楽ちゃん!ゴメン‼ぼ、僕」

「私…ねぇ、ベルトルさんが好きなの…ずっと前から…」
「え?神楽ちゃん?本当に⁇嘘じゃないよね…」
「はい、私はベルトルさんが好きです…」

思いがけない告白。
ベルトルトが告白するはずだったのに神楽が先に言ってしまった。しかし、ベルトルトはとても嬉しかった。

「神楽ちゃん、僕も君が好きだよ。さっきはゴメンね…いきなりキスしちゃって…」

「ううん、ベルトルさんのキス気持ち良かったから…だから大丈夫です。私幸せだな…まさか、両思いだなんて…」
「僕もだよ!神楽ちゃん、ありがとう…」

そういって、軽く触れるだけのキスをする。
その日、神楽はそのままベルトルトの隣で眠った。

次の日、ライナーがベルトルトを起こしに階段を上がると、幸せそうに眠る二人を見つけ、静かに微笑んだ。




甘い金平糖のように二人の関係はとろけあって行くのであった…

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