親父のみ不健全短編

□勇者として呼ばれたけど雲行きがなんか怪しい。E
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長田 依より、35歳。
異世界の勇者、らしい。

「うーん……」

俺は今、やけにフリフリキラキラした部屋にいる。……歴代の勇者が使ってきた部屋、らしいんだが……。

「ほんと少女趣味な部屋だな、ここ」

俺が今腰掛けているベッドに置いてあったハートのクッションを持ち上げる。

話によると、この国の勇者は今まで全て女性だったらしい。
なので勇者用のこの部屋は、フリフリキラキラ少女趣味マックスな訳だ。

俺が女勇者じゃなかったせいかもしれないが、俺は勇者の割りには放置されてて、部屋に飯を三食運んでもらってるお手伝いの青年、アイーズくん以外とは話したこともない。

「はー、暇だなー」

ばふ、とベッドに寝転がる。

女勇者じゃなくて残念なのは分かるけど、何で放置。伝説の剣とかが女性しか抜けないとか、女尊男卑な世界だとか、なんかそんなのあるのかな。
異端だ!みたいな感じで殺されないだけマシなのかもしれないけど。
いらないならとっとと元の世界に返してくれ。

ただただぼーっと天井を眺めていると、コンコン、とドアをノックする音が聞こえる。

「ヨリさん、入りますよ」

「あ、はい」

ガチャ、とドアが開かれて、片手に盆をもったアイーズくんが入ってくる。
金髪に青い目をした、絵本の中の王子のようなこのイケメンは、城で働く22歳の爽やかクンだ。
どうやら腫れ物扱いの俺に対しても優しい、天使のような青年だ。

「ヨリさん、僕も一緒に食べていいですか?」

「あぁ、是非。一人じゃ寂しいから」

「ありがとうございます」

部屋にある小さなテーブルに置かれた食事の匂いで、腹がぐー、と音を鳴らす。

匂いにつられるように、直ぐに椅子に座った俺に、アイーズくんは微笑む。イケメン笑顔の無駄遣いだな。

「じゃあ、食べましょうか」

「今日は魚なんですね」

「お嫌いですか?」

「いや、好きです」

白身魚に、カラメル色のソースがかかったものと、卵と肉を混ぜて焼いたようなものと、パンが並んでいる。
俺はいただきます、と手を合わせる。
俺に続いて、アイーズもイタダキマス、といった。合わせてくれる辺り、本当にいいやつだ。

「んー!美味しい」

「この城の料理人は優秀ですから」

あまりの美味しさに、あっという間に完食してしまう。
くったくった、と思っていると、急に眠気がやってきた。

「ん……食ったばっかなのに……なんでだろ」

「よく眠れていないんですか?」

「いや、昨日もよく寝たはずなんだけど……すいません」

あまりの眠さに、失礼なのは分かってるんだけど、ふらふらとベッドの方に行き、倒れこむ。

「ねむ……」

俺はそのまま意識を手放した。





最近、嫌な夢を見る。
今日もその夢の続きのようだ。

何かが、俺の体を舐めまわしている。それだけじゃなく、昔ネットでみた、よくネタにされてるホモ動画みたいに、尻も弄られてる。指らしき感覚が穴にあった。

「ヨリさん、ヨリさん……っ」

ぐちゅ、ぐちゅ、ぐち、水音が耳に響く。
俺の名前を呼んでいるその声は、アイーズにそっくりだ。俺のどあほ、なんつー夢みてんだ。

「っ、ぁ、あ………」

夢の中なのに、ぞくぞくとリアルな快感が下からあがってきて、声がもれる。

「あぁ、ヨリさん、いれますよ」

「っぐ、ぁ、あ……」

「ヨリさんのナカ、俺を歓迎してるみたいにアツく蠢いて……最高です」

「ぁ……っ、あ、あぁ」

「毎日入れてるのに、何でこんなにキツいんでしょうか、ねっ」

「ぁあぁ………ぁっ」

奥の方のよくわからないところを思いっきり突かれると、びくびくっ!と体が跳ねる。気持ちいい。頭がおかしくなりそうだ。

「ヨリさん、愛してます、俺だけの―――勇者」

嫌な夢は、それから何時間も続いた。






「あー……毎日毎日、なんであんな夢みんのかねえ」

昨日の昼ごはんをアイーズと食べた後寝てしまい、夜のとき謝ろうとしたら、アイーズは別の仕事があるらしく、夜は知らないメイドさんが、一言も喋らずに置いていった。

今日こそは謝ろうと思っていると、やけに早起きしてしまった。

「んーっ」

ぐっ、と体を伸ばす。最近なぜか全身が痛む。歳だな、と思いつつ、暇つぶしに図書室へ向かう。
城の図書室は24時間空いているので、俺はちょこちょこ利用させてもらってたりする。

朝のシーンとした廊下を一人で歩く。ほんと誰も居ないな。

ガラ、と図書室の扉を開く。やはり誰も居ない。

「さーて……なんの本読むかな」

なんとなく奥の方を回ってみる。
昨日は手前の方ばっかてきとーに読んでたからな。

「…お?」

一番奥の棚の、一番端っこの、古いオレンジの表紙の本。

何故かそれに惹かれて、手に取る。

「うわ……」

ものすごく埃っぽくて、顔を顰める。かなり汚れてるのに、何故か開きたい気持ちは消えない。

バサバサと軽く本をふって埃を払っていると、ぱさ、と何かが落ちた。

「ん…?」

持ち上げてみる。どうやら手紙らしい。
少し黄ばんだ、古い白い封筒の裏には、小さく名前が書いてあった。

「白根、百合」

日本語で書かれたその文字に、目を見開く。
日本人が書いた手紙だ!

俺はこっちにきて初めてみた日本語に、心臓がばくばくする。
破らないようにそっと中の手紙を取り出した。

中の手紙は、くしゃくしゃで、どうやら急いで走り書きで書いたものらしかった。



私の後の勇者へ

この手紙は、勇者以外に見つけられないよう呪いをかけています。見つけたということは、あなたは勇者なのですね。

私が言いたいことは一つです。

逃げてください。

図書室にいるということは、まだ何も『勇者の訓練』は受けていないのでしょう。

簡潔に言うと、勇者は『生贄』なのです。
手始めに、召喚して一週間経てば、城の魔力のあるものに凌辱され、魔力を貯めさせられます。
そして、もう一週間経てば、次は魔力の高い王族に。

そして、人の魔力を溜め込んだ『器』となった勇者は、魔王に捧げられるのです。

私は最後の力を振り絞ってこれを書いています。もうあと2日で魔王のもとに送られるのです。
私の心の支えは、次の勇者を私と同じ目に遭わせないこと、それしかありません。

逃げてください。まだ行動の自由があるなら、遅すぎないはずです

どうか逃げて




読み終わると同時に、その手紙はサラサラと崩れて、砂のように細かくなって消えてしまった。

……生贄。
だからか。本当は勇者は女でなければいけなかった……そういうことだったのだろう。

俺がこちらに来て、すでに一週間と少し。
頭の中に、嫌な想像が浮かぶ。

―――あれは、夢か?

ぶんぶん首を振り、そんなわけがない、と自分に言い聞かせる。

しかし、あれが夢だとしても、俺に残された期限はあと少しだ。
俺以外に勇者は来ていないのなら、2人呼ぶ、というのは無理なのだろう。つまり、生贄に使えないなら――――殺されるんじゃ、ないだろうか。

生きればホモ、そうでなければ死ぬ。つう、と冷や汗が伝った。

「逃げ、よう」

ヘタレにはちょっとヘビーすぎる状況だわ。足が震えそうだ。

俺は急いで廊下を駆け出す。ここは実は本城ではなく、別館のようなところで、兵士も居ない。

「ここ、開いてる」

がちゃ、と窓を開くと、早朝の冷たい空気が流れ込んでくる。

ここが一階でよかった。慌ててる今の俺なら、二階でも飛び降りてしまっただろう。

窓を飛び越えて、なんとか外に出る。
すぐ目に見えるところに城壁がある。
……どこか抜けられそうなところはないだろうか。

「はぁ、はぁっ……」

必死に城壁にそって走る。どこか逃げれそうなところはないか。

――――ガァンッ

物凄く大きな音がして、思わず音の方を向く。
……俺の5m後ろの城壁が、がらがらと崩れていた。

勇者パワー?なにこれラッキー、と城壁を抜ける。
それからひたすら走った。

「は、はぁ、っ……」

初めてみる町は本当にファンタジーという感じがして、よく見たかったが、それどころではないと必死に走る。

捕まりたくない、殺されたくない。
それだけが頭の中をぐるぐると回っている。

途中でちらちらと見かけた町の人々が、走る俺を怪訝そうに見ていたが、それにもめげずに走って、やっと町の端にきた。

「はぁ、はぁ……」

とりあえず、やっと町から出れた!
門をくぐって、少し息をつく。

「やっと出てきたな」

「――っ!?」

耳元で囁く低い声に驚いて距離を取ろうとしたが、腕をありえないほどの強さで掴まれる。

「いたっ―――」

「大人しくしてもらおうか、――勇者よ」

「っ」

振り向くと、そこには人形のように整った顔をした男がいた。
黒い艶やかな髪に、燃えるような赤い瞳、そして……人にはない、丸まった形のツノが、頭にあった。

「この町には代々の契約で入れないのでな。遠くから結界の中の壁を崩すのには苦労したぞ」

「離せ、っ」

ギリギリと握られると、手首が軋む。骨が折れそうだ。

「王子が手放す気がなかったようだったからな。少々強硬手段を取らせてもらう」

「なに、を……」

視界がぼやける。体から力が抜けていく。

魔王らしき男に抱えられた感覚を最後に、俺の意識は途絶えた。






「っぁぁあ!!!」

ガッ、と強く奥を突かれる強い刺激で、意識が覚醒する。

「……っ!!な、なに、ひっ、あ、なにこ、れ、嘘、嘘だ、」

ぐちゅ、ぐち、ぐち、という水音と、肌のぶつかる音、なにより俺の尻に入っている赤黒く大きな性器が、状況を物語っていた。

「起きたようだな、勇者よ」

「ひっ、ぁあ、嫌だ、嫌だ、」

びゅく、ぴゅ、と、透明な液が俺の性器から飛び出す。
イった快感にがくがく震えている間にも、大きなそれで奥を押しつぶされ続ける。

「なんで、こんな、いやだ、ぁ、ああっ」

目の前がちかちかする。頭のなかが真っ白になりそうだ。今まで感じたことのない快感に、耐えきれなくて首をふる。

「魔族の体液は人間にはちょうど媚薬のようなものだからな。
それも、魔王の俺の体液だ……痛くはないだろう?」

「あ、ぁあっ、なんで、やだ、ぁ、ああっ」

ぞくぞくぞく、と、またイきそうになる。起きるまでにも何回もイってたのかもしれない。もうでない感じがするのに、それでも容赦なく快感が止まらない。

「やめ、おかしくな、あぁっ、イく、いやだっ、もう、ぁあぁっ……!」

「安心しろ、俺の魔術で狂うことはない。―――どれだけ過ぎた快楽を与えようとな」

「ぁあぁああっ!!!」

ごりゅ、ぐりゅ、と奥を潰されて、ぷしゅ、と液を飛ばす。漏らしたような感覚だが、やけに透明で、しかもおかしくなるくらい気持ちよかった。

「はぁっ、あ、ぁあ……っ、ひ、あ、ぁあっ」

「やっと手に入った。もう手放さんぞ
―――毎日たっぷり愛してやろう」

ガッ、と思いっきり奥を突かれたと思うと、熱いものをナカにどくどくと注がれた。

「―――っうぁぁぁぁあ!!!!!!」

ガクガクガクと身体がおかしくなったみたいに痙攣した。

注がれた部分が、奥が、ずっとイき続けているような快感を生み出し続ける。

ずるり、と魔王の性器が抜かれた後も、ぴゅ、びゅく、と俺の性器が透明な液体を少しずつ漏らし続け、体はびくびくと痙攣し続ける。

「ふぁ、ぁぁ、あ、――あぁあっ」

ナカが熱く、魔王の精液がナカにあるだけで、一番敏感なところを常に突き刺されているような快感がずっと引かない。

「助け、たすけて、いやだ、こんな、ぁあっ」

「なんだ?もっと注いでほしいのか?」

「やっ、むり、ゆるしてくれ、しんじゃ、あ、ぁあっ、またイ、やだ、いやだぁあっ」

すぐに再びイってしまい、思わずのけぞる。シーツをつかんで、首を振って、それでも快感は消えてくれない。がくがく足が震える。

「魔王様、そろそろ会議が……」

がちゃり、扉が開いて誰かが入ってきたが、がくがくと、強制的な快楽によってイきながら震える体を止めることはできなくて、醜態を見られてしまう。

どうやら魔王の部下らしい。

「や、ぁあ、みるな、いやだ、あ、だめ、ぁぁあっ……!」

目の前に魔王の部下までいるというのに、俺はまたはしたなくぷしゅ、と達してしまう。

生理的なものか、情けなさか、もはやわからない涙が浮かぶ。

「魔王様!!!初めて魔族の体液を受ける勇者に、まさか、精液を……
そんな事をしたら、壊れてしまいます」

「いい。部屋から出すつもりもないからな
それに狂わぬよう術も施した」

「――っ、常に、ありえないほどの快楽を与え続けるのは、暴力と変わりません!」

「……なんとでも言え。なんなら精液中毒にでもしてやるさ」

ぐぷぷ、と、魔王の大きすぎる性器が穴を無理やり広げて押し入ってくる感覚に、足を伸ばしてシーツを掴んで耐えようとする。

「ぁ、あぁ、もう、いやだ、いやだぁ、いやだぁあっ」

「―――逃すつもりは、ないからな」



再び激しく奥を何度も貫かれて、頭が真っ白になって、もはや魔王の部下が心配そうにこちらを見ていることすら、脳が理解しなかった。
 

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