おはなし2

□想い伝える前に
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私の好きな人はずるいやつだと思う。

でも同じくらい私もずるいやつだなぁって、思う。

かわいげのない自分に一日に何度腹をたてることか。

だってほら。

いまだって指原がいるの横目で気にしながら北原にベタベタ引っ付くんだ。

でも、やきもちやいてる、なんて思われたくなくて、私はその席をごく自然に離れるとゆっくり足音をたてずにたかみなさん近寄って後ろから抱きついてみた。

「うおっ!? え? え? どうしたよ、指原」

お前そんなキャラじゃねーだろ。

ヘラヘラと笑いながらそんなことをいうたかみなさんを前にするとなんかわからないけど急に堪えてた感情が溢れだしちゃって子供みたいにムスッとする自分がいた。

不思議と頭は冷静でそうやって自分を客観的にみれる。

「横山が……意地悪」

ボソッと呟けば、私たちの関係を知っているたかみなさんはきっとこっちをチラチラと見ながらも北原から離れない横山を見て、ははーん。と面白そうに口角をあげた。
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