銀の狼


□京都編
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時代は移り変わり

ーー明治ーー

今はもう珍しく、刀を持った一人の旅人が道の端を歩く。端を歩くがどうしても目立ってしまうのはしょうがないことだった。


「はぁ〜やはり目立ちますね...」


旅人が歩いていると遠くにはどう見てもお堅そうな顔でさらにサーベルを帯びた警官が旅人が行く道に立っていた。


「...はぁ〜何だってこう...」


長いた旅のなかで幾度も同じような事に逢い、幾度目かの溜息を吐く。いまさら道を変える気もないし、隠れる気もないので真っ直ぐ進む。そんな旅人にやっとの事で旅人に気づいた警官はピーーーッと笛を鳴らし、サーベルを抜いて走ってきた。


「貴様‼廃刀令の中、俺の前で帯刀するとはいい度胸だな‼」

「私は貴方を存知ません」

「知った事か‼お前を逮捕する‼」

サーベルを突きつけられながらも呑気に笑い、両手を挙げ、降参のポーズをとり、おとなしく捕まった。理由はーー丁度道に迷っていたからだそうだ。










⇒警察庁 取り調べ室⇒

「お前の名前はなんだ?」

『え〜っと比古ルカです』
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