拍手有難うございますっ!!


――――…


無理矢理家を追い出されたに近い赤ずきんが


とぼとぼ歩いてゆくと


『さぁー安いよ安いよ!これが今話題の高い所の枝を切れる鋏!!名付けて“高い所の枝を切る鋏”だぁーっ!!!!』


という威勢の良い声が聞こえてくる。


他に歩いている人も見当たらない辺り
余程の運の無いヤツなのか
はたまた商才が無いのか…


関わらないに越した事はない



きっと誰もがそう思うのだろう
赤ずきんを除いては。



『よっ、そこ行くお嬢さん。名前は?』

「あ、赤ずきんと申します。」
いきなり声をかけられて、つい偽名(?)を名乗る赤ずきんなのでした。


『そうか、可愛い名前だな。オレはディアッカだ。それよりどうだ?中々良い品だろ?見るだけはタダだからさ』

「まぁ、随分と不思議な形をしてますのね…」

『この辺りは森やら山やら高い木ばかりだろ?そーんな高い所の枝を切りやすくするためにこんな形なのさっ』

「まぁまぁ画期的!!とても頭が良いのですね。」

『どうだ?負けてやるから買っていかないか?』

「お言葉はとても魅力的なのですが、生憎、お金を…」

『あー……なんならいいぜ。持っていっても』

「まぁ!!でも本当に宜しいのですか?」

『あぁ、その代わりと言ったらなんだが……身体で払って貰おうかな』

「身体と、云いますのは……」

『言葉の通りだぜ。なぁに、痛くはしないさ』

「あ……痛くしないのであれば、宜しいですわ」

『ぐぅれいとぉぉぉぉっ!!!!』










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