二次創作
□天体観測
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「…うわぁ」
そこに広がるのは、窓の内側から見た景色とは全く違うものだった。
雲が一つもなくて、月がいつもより明るく感じる。
ああ、何て素晴らしい”何でもない日”だ。オスカー叔父さんが言ってた記念日というのは、あながち間違ってなかったみたい。
「ハッピーアンバースデー」
一人呟く。
ほぼ無意識で、言った後に少し驚いた。
何かもう俺らしくない。
「…オズ?」
突然名前を呼ばれ、肩が震える。
聞き慣れた低い声。
「ギル!」
振り向くと目付きの悪い長身の男…もといギルバート=ナイトレイが、眉をしかめてそこにいた。
いつもよりラフな格好をしていたので、きっと彼も寝る前だったんだろう。
いつもと違う無防備な姿に少しどきんとした。