二次創作
□君だから
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−俺は今、本屋に来ている。
黒子っちは学校。
俺は仕事帰り。
そしてそのまま駆け寄るようにして雑誌コーナーへ急いだ。
女性ものの雑誌だが臆することなく引っつかみ、レジにどさりと雑誌たちを置いた。
「お願いするっす…!」
『ありがとうございま…え?』
高校生くらいの店員さんの驚いた視線をかわし、会計を済ませて無事帰宅。
そしてリビングに入るなりその雑誌を広げる。
「……」
その雑誌には共通して、ある俳優が載っていた。
そう、昨日のあの俳優さん。
爽やか系からクールなものまで。
もともとモデル出身らしく、着こなしは素晴らしい。
「…んん…」
こういう人がタイプなのか。
俺とは正反対の、柔らかさを持った人。
俺は持っていた雑誌をテーブルに置くと、背中からソファーにトサリと寝転んだ。
クッションを抱き締め、遠目にその雑誌たちを見つめてみる。
「遠回しにお前は好きじゃないって言ってるんすか…?」
寂しくなってクッションに顔を埋めた。
ごろごろとしながら考えるのは黒子っちの言葉。
雑誌の一面で爽やかに笑う彼が、『お前には無理だ』と言ってるような気がした。