第一図書室
□トレード
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ん…?
朝起きると、自分の部屋しては見慣れない天井、壁、家具が……あれ?
これカノの部屋じゃねぇか
「はぁ…?なんで…って声!?えぇ!?」
溜め息を吐き、愚痴をこぼしたことで声がカノの声になっていることに気が付く。え?いや、どうなってんだよこれ。
「ってかまさか…」
嫌な予感が頭をよぎったために、鏡を探して部屋を飛び出す。
ドタドタ走り回って洗面台を見つけ、急いで覗き込む。
「あぁ…やっぱりな…」
オレの顔はそのまんまカノになっていた。…これはどういうことだろうか。
わけがわからず頭を抱え込む。ああぁどうしたらいいんだ…
…………ってか
待てよ?まさかカノもオレになってたりするのか?
いや、それならきっと今頃連絡が……
そう思ったところで部屋の携帯が鳴り出した。携帯には「シンタロー君」と表示されている。…ビンゴ!
「はいもしも…」
『シンタロー君!?ねぇこれ気付いた?これどうなってんのさ!?』
カノと思われる口調のオレの声が聞こえる。なんか気持ち悪いな。
「お、おう…オレにもよくわかんねぇんだが…どうしたらいいんだよこれ」
『え、えーと…とりあえずそっち行くから!あまり部屋から出ないようにしといて』
そういうとプツッと切れ、画面に通話終了と表示された。
「早く来てくれ…どうなってんだよ…」
カノの声でこの口調って…うん、やっぱ気持ち悪いな。
そんなことを考えながら待っていると、ドアが慌ただしくバタンと開かれた。