第一図書室
□しょったー
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「し、しんたろくん!ちょ…助けて!」
アジトの玄関を上がりリビングへ向かうと、突然カノの声が聞こえた。
何事かと思い辺りを見回す。するとオレが丁度見下ろすような位置に、メシアでも見るかの様な目でオレを見上げているカノがいた。
「おうカノ…ってお前、なんかサイズおかしくないか?」
カノは依然ニコニコとしているが、明らかに身長がいつもよりも小さかった。
「あ、気付いた?いやぁなんか僕にもわからないんだけど、気付いたらこうなってたっていうか…」
カノが苦笑まじりに状況を説明する。しかしとてもじゃないがオレに信じられるようなことではなかった。
「カノ…ただでさえ小さいのに更に小さくなるとはな…」
オレが冗談まじりにそう呟くと、カノはぶすっと頬を膨らませた。
「い、いいもん。僕どうせチビだもん」
「はは、冗談だ」
オレが少し笑いながらそういうと、カノはパタパタと近寄ってきた。
「しんたろくんがとんでもなく大きい人みたいー!あはは」
キャッキャとはしゃぐ姿は、本当に子供っぽかった。心まで子供になってしまったのだろうか。
「いわゆる幼児化ってやつなのか?」
「うーん、そうなのかも?」と首をかしげるカノは、本当に冗談抜きで可愛かった。
ダボパーカー、あどけなさ、可愛さ、ちっちゃさ、ショタの5つがパーフェクト+上目遣いの今オレの前にいるカノが天使に見えてきた。お前可愛すぎんだろが。
ショタコンの血が騒ぐなんてものではない。もうこれは最早ショタコンの歴史を変えr…
「し、しんたろくん?」
カノの声で一気に我にかえる。…危ねぇ、危うくカノを襲う所だったぜ
目の前のカノは頭上に「?」マークを浮かべ、こちらを見ている。
「あぁ、いや気にすんな。なんでもない」
オレがそう言うと、カノは「ふうん?」と納得したようだった。
「よし、じゃあしんたろくん!お出掛けしよう!」
「え…は!?今から!?」
「今からも何も、まだ12時でしょ?ほら、行こう行こう!でぱーと!」
そういう意味じゃねえと騒いだが、カノは完全なガン無視でオレを外に連れ出し、手を握ったまま走り出した。