第二図書室
□相思相愛
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「僕さー」
俺が色々考え込んでいると、カノがいつものようにヘラヘラ笑いながら話しかけてきた。
「ん、なんすか?カノ」
「セトのこと大好きなんだ」
その言葉を聞いた瞬間、顔が赤くなったのが自分でもわかった。
「っえ…な、カノ何いってるんすか!?」
「ん〜?いや、そのまんまの意味だけど?」
カノがニヤニヤ笑いながら言う。堪らずわたわたと慌て出した。
「え、えぇ!?カノ、落ち着くっす!いいっすか、カノは男で俺も男っすよ!?」
「うん。だから何さ?」
「な、何さって…!」
先程よりも顔が赤くなるのが自分でもわかった。カノはいきなり何を言い出すのだ…!
「いやぁ、僕ね、セトのこと考えたら夜も眠れないくらい大好きなんだよ。
…ねぇ、こんな僕気持ち悪いかな。ねぇセト、どう思う?僕のこと、嫌い…?」
「そ、そんなことな−…」
目を開ける。
「って夢…」
頭を抱える。思えば最近カノの夢しか見ていない。とうとう頭がおかしくなってしまったのだろうか。
「はぁ……」
朝一番で溜め息を吐く。
とりあえず部屋を出ることにして、ドアをがちゃりと開けた。
「あ、セト!おはよー」
「はぇ!?!?」
ななななんでカノが居る!!?
俺が変な反応をしたせいか、カノは苦笑している。
「えぇ?どうしたのセト…?悪いものでも食べた?」
「いや俺は犬っすか!?ただ驚いただけっすよ!カノおはようっす!」
いつも通りを繕って笑う。同性愛だなんて思われたら気持ち悪がられてしまうだろうから、なるべく気付かれないように接したい…。
「う、うん…?」
カノは腑に落ちない表情のままとたとたと駆けていった。
どうしてカノのことを好きになったのだろう。
いつからか、気付けば彼を見つめているような感じで、最近になってそれが恋だとわかった。
「こんな俺、気持ち悪いっすよねぇ…」
「はぁ」と溜め息を吐き、前を向いてリビングへ向かう。
「キド〜…俺どうしたらいいんすかぁ…」
俺はよくキドに相談を持ちかけていた。キドは真剣に考えてくれて、本当にありがたい。頼りになると思う。
「だから、このことばかりはあいつの頭の中を覗いてみればどうなんだ?」
「き、嫌われてたら俺立ち直れないっす…ましてや他の人が好きとかも…」
正直ここまでウジウジと物事を考えたのは初めてだ。
「俺は…大丈夫だと思うがな」
キドが真剣そうな顔で言う。
「う…まぁ…そのうち見るっす…ちょっと気が引けるっすが…」
弱々しくこたえる自分にキドは「お前らしくないな。いやもう乙女だなセト」とはぐらかした。
「カノ」
「んー?どしたのセト」
かなり罪悪感があるが、カノに向けて能力を使う。
カノはそれに気付いてないようだった。
「え?セト?ちょ、なになに?気になる…って ぇ、どうしたの!?熱!?」
カノの考えを覗いた途端に顔が熱くなってしまった。しまった…気付かれるだろうか。
「おまけに目も赤…え?目?……ま、まさかセト…」
言い終わるや否やカノの顔が真っ赤になった。
「カノ……そんなこと考えてたんすか…?」
未だ冷めない顔をそらしながらカノに尋ねる。
カノは、ずっと俺のことばかりを考えていた。しかも俺と同じように「気持ち悪がられるだろうから言えない」とも考えていたのだった。……相思相愛というやつだろうか。
「カノ」
双方の心境がわかって吹っ切れたのか、俺は無意識にカノを抱き寄せた。
「…っセト」
「俺、カノのこと好きっすよ。多分、カノが思っているよりもずっとっす」
俺が耳元でそう囁くと、カノもそれにこたえた。
「僕も…セトのこと好きだよ!」
カノはまだ頬が赤かったが、にかっと笑いながら抱き返してきた。
「ちょ…カノ、そんな可愛い顔したら俺我慢きかなくなるっす…今すぐにでも押し倒して××や×××したいっす」
「セトなんでそんな恥ずかしいこと言えんの!?」
カノが顔を真っ赤にして叫んだ。
よし、いただこう。
そう思ってカノをひょいと姫抱きにした。
「え…せ、せと!?」
あたふたと慌てるカノは可愛かった。
「覚悟するっすよ。カノが悪いんすからね」
「なんで僕だし!」
わあぁと暴れるカノの口を口で塞ぎ、俺は足早に部屋へと向かった。
☆
だめですね…いやぁ、私の中ではせとっさんは「天然エロ物」みたいになってて、なんか思ったことずばずば言いそうなイメージなんですよね。セトカノになると絶対にカノさんが食される件(笑)ごめんカノさん。でも悪い話じゃないだろ?(殴
なんか最近R-18ものばっかネタに上がります。これ全部書いたらブック欄R-18で埋め尽くされそうなのでそれだけは避けます。
あ、長くなりました。ではでは。