第二図書室

□相思相愛
1ページ/1ページ


「僕さー」

俺が色々考え込んでいると、カノがいつものようにヘラヘラ笑いながら話しかけてきた。

「ん、なんすか?カノ」

「セトのこと大好きなんだ」

その言葉を聞いた瞬間、顔が赤くなったのが自分でもわかった。

「っえ…な、カノ何いってるんすか!?」

「ん〜?いや、そのまんまの意味だけど?」

カノがニヤニヤ笑いながら言う。堪らずわたわたと慌て出した。

「え、えぇ!?カノ、落ち着くっす!いいっすか、カノは男で俺も男っすよ!?」

「うん。だから何さ?」

「な、何さって…!」

先程よりも顔が赤くなるのが自分でもわかった。カノはいきなり何を言い出すのだ…!

「いやぁ、僕ね、セトのこと考えたら夜も眠れないくらい大好きなんだよ。

…ねぇ、こんな僕気持ち悪いかな。ねぇセト、どう思う?僕のこと、嫌い…?」

「そ、そんなことな−…」

目を開ける。

「って夢…」

頭を抱える。思えば最近カノの夢しか見ていない。とうとう頭がおかしくなってしまったのだろうか。

「はぁ……」

朝一番で溜め息を吐く。

とりあえず部屋を出ることにして、ドアをがちゃりと開けた。

「あ、セト!おはよー」

「はぇ!?!?」

ななななんでカノが居る!!?

俺が変な反応をしたせいか、カノは苦笑している。

「えぇ?どうしたのセト…?悪いものでも食べた?」

「いや俺は犬っすか!?ただ驚いただけっすよ!カノおはようっす!」

いつも通りを繕って笑う。同性愛だなんて思われたら気持ち悪がられてしまうだろうから、なるべく気付かれないように接したい…。

「う、うん…?」

カノは腑に落ちない表情のままとたとたと駆けていった。

どうしてカノのことを好きになったのだろう。

いつからか、気付けば彼を見つめているような感じで、最近になってそれが恋だとわかった。

「こんな俺、気持ち悪いっすよねぇ…」

「はぁ」と溜め息を吐き、前を向いてリビングへ向かう。




「キド〜…俺どうしたらいいんすかぁ…」

俺はよくキドに相談を持ちかけていた。キドは真剣に考えてくれて、本当にありがたい。頼りになると思う。

「だから、このことばかりはあいつの頭の中を覗いてみればどうなんだ?」

「き、嫌われてたら俺立ち直れないっす…ましてや他の人が好きとかも…」

正直ここまでウジウジと物事を考えたのは初めてだ。

「俺は…大丈夫だと思うがな」

キドが真剣そうな顔で言う。

「う…まぁ…そのうち見るっす…ちょっと気が引けるっすが…」

弱々しくこたえる自分にキドは「お前らしくないな。いやもう乙女だなセト」とはぐらかした。




「カノ」

「んー?どしたのセト」

かなり罪悪感があるが、カノに向けて能力を使う。

カノはそれに気付いてないようだった。

「え?セト?ちょ、なになに?気になる…って ぇ、どうしたの!?熱!?」

カノの考えを覗いた途端に顔が熱くなってしまった。しまった…気付かれるだろうか。

「おまけに目も赤…え?目?……ま、まさかセト…」

言い終わるや否やカノの顔が真っ赤になった。

「カノ……そんなこと考えてたんすか…?」

未だ冷めない顔をそらしながらカノに尋ねる。

カノは、ずっと俺のことばかりを考えていた。しかも俺と同じように「気持ち悪がられるだろうから言えない」とも考えていたのだった。……相思相愛というやつだろうか。

「カノ」

双方の心境がわかって吹っ切れたのか、俺は無意識にカノを抱き寄せた。

「…っセト」

「俺、カノのこと好きっすよ。多分、カノが思っているよりもずっとっす」

俺が耳元でそう囁くと、カノもそれにこたえた。

「僕も…セトのこと好きだよ!」

カノはまだ頬が赤かったが、にかっと笑いながら抱き返してきた。

「ちょ…カノ、そんな可愛い顔したら俺我慢きかなくなるっす…今すぐにでも押し倒して××や×××したいっす」

「セトなんでそんな恥ずかしいこと言えんの!?」

カノが顔を真っ赤にして叫んだ。

よし、いただこう。

そう思ってカノをひょいと姫抱きにした。

「え…せ、せと!?」

あたふたと慌てるカノは可愛かった。

「覚悟するっすよ。カノが悪いんすからね」

「なんで僕だし!」

わあぁと暴れるカノの口を口で塞ぎ、俺は足早に部屋へと向かった。





だめですね…いやぁ、私の中ではせとっさんは「天然エロ物」みたいになってて、なんか思ったことずばずば言いそうなイメージなんですよね。セトカノになると絶対にカノさんが食される件(笑)ごめんカノさん。でも悪い話じゃないだろ?(殴

なんか最近R-18ものばっかネタに上がります。これ全部書いたらブック欄R-18で埋め尽くされそうなのでそれだけは避けます。

あ、長くなりました。ではでは。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ