相手自由夢@

□つまり好きってこと
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「ねーねー、これ買って!」

美優はショッピングモール内のマネキンが着ているスカートを指差した。


「こないだ買ったじゃん」

「あれはキュロット!スカートが欲しいの!買って!」

「んじゃこのあとのランチは牛丼な」

「ステーキ食べたいもん」

「んじゃスカートは我慢な」

「はーい…」


美優は少ししょんぼりしながらその場を後にした。






「…く、苦しい…」


欲張って分厚いステーキを頼んだ美優だったが、半分も食べたところで満腹になってしまった。

「しょうがねぇなー、寄越せよ」

和希はたいらげた自分の皿と美優の皿を交換した。

「和希がいっぱい食べる人で助かったー!」

「俺お前と付き合ってるとメタボなりそう」

「メタボなったら別れる」

「うっわ、お前それ酷くね?」

そんな事を言いつつも美優の残したステーキをたいらげる和希だった。






「今日はありがとね!ごちそうさま!」

「ん。あのさ、」

「ん?」

「あのスカートさ、欲しいの?」

「スカート?」

「さっき欲しいって言ってたじゃん」

「あー、うん。あ、でももういーよ」

「なんで?」

「だっていつもいっぱいお金使わせちゃってるし」

「そんなのいーし。悪いと思ったらたまにはお前からキスしてよ」

にやりと笑う和希の頬にちゅ、と軽く口付ける。

「えー」

「えーって何よ」

「お前そこは唇だろ。空気読めよ」

「んじゃもうしてやんなーい」

「えーやだー」

「んじゃ我慢ね」

「チッ」


軽く舌打ちして美優の手を引いて歩き出す。



「ねえ、和希」

「んー?」



振り向き様に奪う唇。




「っは、え、なに、」

「今のはあたしがしたかったからしたー」




「…やっぱさ、さっきのスカート買いに行こーぜ」








〈end.〉

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