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□あの言葉
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大好きな歌がある。
ハルの歌で、最高にいい曲なんだ。
封鎖から出た後、学校から帰ってきた後、自分の部屋でまずすることは、その曲を聴くことだった。
あなた達に聴かせたことはないね。
もしあなた達が批判的な意見をもったとき、それを聞くのが嫌だったから。
その曲にはこんな歌詞がある。
「この会話を最後に、友達をやめてみようか」
この部分は特に好きだ。
封鎖に巻き込まれる前、アツロウがいないときに、あなたにこれを言ってみたね。
そしたらあなたはすごく困ったような顔をして。
「何か悪いことをしたか!?したなら謝るから!悪かった!!」
違うと言ったら、今度は言葉の意味を聞いてきて。
言えるわけないじゃんって思った。
そのときは、ちょうどアツロウが来たから話を止めたけど。
それから、また同じような日々を過ごしてた。
全てが変わってしまったのは、あの日だった。
東京封鎖に巻き込まれて、情緒不安定になって、あなたにはもの凄く頼りない姿を見せたね。
でも、あなたは私を守ってくれた。
笑顔で、私を支えてくれた。
あなたが一緒にいなかったら、私は私の中に生きている意味を見つけることが出来なかったかもしれない。
私、封鎖の中で思ったんだ。
あなたと一緒に買い物に行きたい。遊びに行きたい。学校に行きたいって。
そして、私は気づいた。
私は、今までよりずっと、あなたのことを好きになったんだって。
それからは、ミドリちゃんやアツロウに茶化されても、ちょっと嬉しかったんだよ。
封鎖を自分たちで何とかしなきゃっていう思いも強くなった。

今の私は、封鎖前の私とは違う。
もう、大変なこと、辛いことから逃げないよ。
だから、聞いてね。
私の思いと、あの言葉の意味。
ちゃんと、伝えるから。

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