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□クローズドサークル6
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最初は6人いたのに、今は2人しかいない。
広くなったロビーに、聞きなれた声が響いた。
『投票の結果、七瀬さんが処刑されました。犠牲者は、今野さんです。人狼陣営の勝利です。おめでとうございます。ロビーのドアが開きますので、そちらからお帰り下さい。』
「帰れって言われても、ここがどこだかわからねぇし…。」
「出てみれば分かるんじゃない?行こう、笠置君。こんなところ、もういたくない。」
「そうだな。はぁ、昨日は精神的に疲れたな。七瀬と今野を殺したのか…。」
「…そうだね。うちら、人を殺したんだよね。」
「あー、やめやめ。この話はもうなし。…笹原、自殺とかすんなよ?」
「しないよ、そんなこと。ここで死んだ人たちが可愛そうだもん。」
「あぁ。…そうだ、ゲーム中サンキューな。俺はお前に何もしてやれなかったけど、俺はお前に助けてもらったからな。」
「こんなゲーム、1人じゃ耐えらんない。笠置君はいるだけでよかったんだよ。笠置君がいるから、人狼っていうツライ役職にも耐えられた。ありがとう。」
「いやっ、べ、別に。…占い師騙るとは流石だな。村人のフリをして目立たないんじゃなくて、占い師か…。」
「占い師は、経験アリだから。最初から最後まで、自分が思ったとおりの流れになったよ。七瀬さんがちょっと危なかったけどね。」
「あれは驚いたな。」
そんな話をしながら、俺らはロビーを出て行く。
自分の家へ、家族がいる場所へ帰っていく。
…そういやあの建物、俺の学校のすぐ近くだった。
聞いてみると、笹原は俺の学校の卒業生らしい。もちろん、今野も。
もう分からないけれど、多分及川も、坂井も。
俺の同級生か、後輩か。
分からないし、知る気もない。
俺が殺した、人間のことなんか。

及川…占い師 坂井…村人 七瀬…村人 今野…村人 笠置…人狼 笹原…人狼

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