跡忍/中学生的日常/セクシー小説

□恋する男子(跡忍)
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秋は雨が多い。
ローテンションで氷帝の廊下を行く二年の忍足は、窓に映った自分の髪が跳ねていることに気づいて立ち止まる。
「……」
熱心に外ハネを直す忍足を、教室から見やる人物がいた。
跡部景吾だ。
(あいつ、また女みてえに髪いじってやんの)
髪の収まりに満足したらしく、ふいに振り返った忍足が跡部に気づいてわずかに目を見張る。
ひらひらと手を振って寄越した忍足を、ちょいちょいと呼び寄せると、
「なんやぁ、跡部?」
はんなりした関西弁で近づいてくる。
「髪、見せてみ」
跡部は、自身が使っている美容室のスタイリングワックスを手に付け、自分の席に座らせた忍足の髪に指を入れた。
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