イヴ
□砂糖とカラメル
1ページ/1ページ
最近、心が荒む。
俺の気持ちも知らずにお前は笑うのだろう。
今だって。
「見てあの子!かわいいねえ」
「そうだな」
お前が指す、小さい男児をみる。
丸い瞳と白い肌。フワフワの髪の毛にこじゃれた洋服。
ああ、何てことだ。
お前が誉める、俺以外の全てのものが妬ましい。
全て、すべて、消し去ってしまいたいがお前の笑顔を失うには小さすぎる望みだ。
だから俺はお前を抱きしめて、心の底から呟く。
俺だけのお前に。
お前だけの俺から。
「愛してる」
「……私も」
愛を。