短編

□いちごみるく
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カルマくんはモテる要素が揃いに揃っている。

背が高く顔も端正で、頭も運動神経も良い。

うちのクラスの女子はさばさばしてる人が多いからそんなにモテてないってだけで、他校に行ったらきっとモテてただろう。

そして…極めつけは…

「渚くん、帰ろうよ」

そう言うカルマくんの片手にはパックのいちごミルク。

…こういうところなんだろうな…。

一見クールで近寄りがたく見えるのに、こんな可愛いもの飲んでるもんだから、きっと女の子は母性本能をくすぐられるんだろうな…

「ん?何渚くん」

「あ…いや、それ美味しそうだなって」

その場を取り繕う様にカルマくんのいちごミルクを指差す。

するとカルマくんは口角を少しあげて、ニヤッとした。

あ、やばい…これは悪戯を思い付いた時の顔だ…。

「そんなに欲しいならあげるよ」

そう言うとカルマくんはいきなり僕の唇をふさいだ。

「…っ!?」

そのまま舌を捩じ込まれる。ただでさえ酸素が足りないのにカルマくんがさっきまで飲んでたいちごミルクの甘い匂いまで香ってきて頭がクラクラする。

カルマくんが唇を放した頃には、僕の顔は恥ずかしいのと酸欠で真っ赤になっていた。

「ひどいよカルマくん、いきなり…しかも教室で」

「あはは、渚くんが欲しがってるのかなって思っちゃって」

そんなに僕飢えてないよぉ!!

「大丈夫って、誰も見てないし…続きは家で、ね?」

そんなこと笑顔で言われたら…僕は従うしかなくて…

僕らはそのまま教室を出て、カルマくん家に向かったのだった。



その頃教室では…

(…誰も見てないわけないだろうがぁっ!!)

(てか家で何するんだあいつら!!)

(…ダメだ、気にした方が負けだ…)



 

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