短編
□祈る
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非常事態が起きた。
楽しい夏休みの旅行…かと思いきや、やはりE組を待ち受けているのはいつだってトラブルの様だ。
何者かによって俺らはウイルスに感染させられた。
そして…治療薬を奪うために、感染していない14人でホテルに乗り込むことになった。
覚悟はできている、何としてでも薬を奪って皆を助ける…!!
…ただ、その前にどうしてもアイツの顔が見たかった。
「前原!」
「…磯貝…?」
「大丈夫か?」
「あー…正直キツい…」
「だよな…」
クラスの半分近く感染したけど…前原まで感染してしまうなんて。
いつも2人でいたし、暗殺の作戦だっていつも2人で殺ることを想定して考えてた。
でも…今回は隣に前原がいないんだ…
そのことだけがすごく不安だった。
「前原…俺ら今からホテルに乗り込むよ」
「磯貝!…それ…危険じゃ…」
「うん、わかってる。でも…それしか皆を助ける方法はないんだ」
「…」
「俺も正直不安だよ。前原がいないわけだし…でも前原を…皆を助けたいんだ」
「磯貝…じゃあさ」
「ん?」
「絶対…無事に帰ってこいよ…」
「当たり前だよ。お前こそキツいだろうけど…無事でいてくれ」
「了解…」
そう言うと前原はよほどキツいのか、喋らなくなった。
前原の頭を撫で、ホテルへと向かうべく、俺は立ち上がった。
(どうか、前原が無事でいてくれますように)
(…どうか、磯貝が無事に帰って来ますように…)
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まぁ、タイトル通り…祈ってる2人です。
磯前でも前磯でも磯+前でもいいんだけど敢えての磯前で。
いつだって可哀想な目に遭う前原くんを支えているのは磯貝くんだし。(仕返しの時も鷹岡の時も…)
鷹岡に殴られた後とか磯貝くんがちゃんと前原くんの背中に手を置いているのを見逃してはいませんよ(・ω・´)!
その回のもいつか書けたらいいなぁ…