短編

□腐った君に恋をした
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俺は今、絶対に誰にも言えない秘密を抱えている。

それは、俺が片想いしている相手に関すること。

あ、もちろん片想いしてることも誰にも話せないけど…


…いや、むしろそっちの方は別にいいかもしれない。

問題なのは…





「なぁなぁ前原今のカルマと渚見た見た!?やっぱりカル渚最高だよなぁー…」





俺の片想いの相手、磯貝が腐っているということである。





きっかけはつい最近のことだった。

昼休みに磯貝と飯を食っていると、磯貝が神妙な面持ちで「大事な話があるんだ…」と言った。

その時から磯貝のことが好きだった俺は「もしかして告白か!?」とかおめでたいこと考えて磯貝の次の言葉を待った。

だけど…そのあと磯貝が言ったことは、俺の想像をはるかに超えていた。



「俺…腐ってるんだ…」




…しばらく意味がわからなかった。

あー…その、あれか、磯貝は素直で謙虚だから何かやらかして必要以上に自己嫌悪に陥っているのかもしれない。


「いや…お前は良いやつだよ?」


でも俺の思ったことは、どうやら的外れなことだったらしい。


「違うんだ!俺は…男と男がイチャイチャしているのを見るのがたまらなく好きなんだ!!」


「…は?」

想定外すぎて固まる俺。



その言葉通り、磯貝は腐っていた…つまり磯貝は腐男子だったのだ。


「あっ…ご、ごめん前原…ひいたよね?」

「え、あっ…いやっ…」



くっそぉぉおおお!!
こんなときでも俺を不安そうに見つめる磯貝が可愛くて仕方がない!!!


「全然!全然ひいてない!むしろ良いと思う!うん!」

「本当か!?良かったー前原なら受け入れてくれるって信じてたんだー!」


なんだその絶大なる信頼は!!


磯貝は俺のことをキラキラした目で見てきた。

うっ…視線が真っ直ぐすぎて直視できねぇっ!


「じゃあこれからはいつでも前原に話せるね!!」

「お、おう」


この時俺は甘く見ていた…磯貝のBLへのハマりっぷりを…
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