SS

□(仮)
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そして仮にもホステスだというのに気の効かないにも程がある。

「…俺…じゃなくて、あたいライターもってないっていうか〜」
「…あぁ?」
そっぽを向いたまま妙に上擦った声が答えてくる。
ホステスがライターも持ってないとは…。

「なぁあんた…こっち向けよ」
「…っ!」
「なんぼなんでも客に背中向けっぱなしはネェだろ…?」

肩にかかる土方の手に銀時はものすごく焦った。
そして、ついに振り向く。

思いっきり変顔を造って…だ。

「………。」

「………?」

明らかに自分を舐めてるとしか思えない大女の態度に一瞬かちんとくるも、どこかでみた顔だ…

よくよく知ってる…


「…っあ…あっはぁーはっはっははっ!!!!ひぃっーー!!」

次の瞬間土方は一人爆笑の渦に落ちていた。

「どしたの…?トシ?」
やや引き気味に近藤が質問しても答えようも無いほどに土方の腹筋は笑うことにのみ使用されていた。

「ぷっ…あはっ…ーっはははっ」
ばしばしとソファを叩きつつ堪えきれない笑いを吐き出す土方の前で銀時…もといパー子はちょっぴり泣きたい気分だったが指をさして大笑いの土方に、それはやや怒りへと変換されていった。

「やっだーお客さぁぁんvパー子のことそんなに気にいっちゃったぁ?」
むりくり作った女声でくねくねっとしつついってやればもう笑いのつぼにきっちりスイッチの入った土方はもうとどまることをしらずうずくまって笑っている。

「そんなにパー子のこと気にいったならぁ…もう個室に行きましょうねぇ!」
わしっと土方の襟首を後ろから掴むとそのまま土方を引きずってバックルームへと二人は姿を消した。
ここは、そういう店ではないから、そういう目的の部屋はもともとない。
だが、空いてる化粧室だの着替え部屋だの仮眠室だのはいくらでもあるから部屋には困りはしないのだ。

「ははは、積極的な女性ですね!お妙さん!あっあのっ…ここは一つ我々もっ…!!」
がっとお妙の両手を近藤の手が包み込むその前に近藤の顔面にはお妙の肘がガッツリと入り、近藤はピクリとも動かなくなったのである。
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