黒猫ひぃSS

□○●さん家の黒猫ひぃ(銀時編)
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おれはねこらしい、
なまえはこないだ、もらった
オレのことを、そおごは「ひぃ」と呼ぶ。

そぉごは今いない、俺を「とんしょ」にいれるようするために話し合わないと駄目なんだって言ってた。
だから今、おれはぎんときのいえに預けられている。


いつも通りお気に入りの昼寝ポイントの日当たりのいい棚の上から、目を覚ましてひぃは飛び降りた。

ひぃの予定としては、したんっとかるく、ちゃくち…するはずだった、がが、わきにあったつくえから、すこしはみ出したなにかをひっかけて、ちゃくち。

つくえから、はでな音をたててそれがひっくりかえる。


ひぃのひっくり返したそれは、酒のビンで、倒れるついでにその隣にプラスチックのカバーを被せて置いてあったケーキをなぎ倒し、共にテーブルから落下した。

どぐわちゃぁ!!

と、音をたてて…皿がわれる。酒のビンも割れる。

ひぃはケーキの一連の動きを眼で追っていた。

やたらゆっくりと畳におちたケーキがべしょっと潰れる。

さぁ…とひぃが青ざめた。

出かける前、ぎんときは、すごく楽しみにしていたんだ、このケーキを、わんほーる食べるために俺は生きてきたとか言っていた。
怒られる。やだやだ。

なおさなきゃ!
かたづけなきゃ!

ひぃはわたわたとあとしまつにかかった
クリームを手で集めてテーブルの上にべしょっと戻す。
ひぃの長い爪はスポンジをぼろぼろにしつつクリームと共にそれをテーブルへと運ぶ。
爪で引っかいた畳の繊維が時折混ざった。

ぺしょりと顔についたクリームを取ろうとこすればよけいにべたべたした。
髪の毛にクリームがついてしまった。
よく見ればしっぽにもべっとり。
そしてこぼれた酒が畳に染み込んでものすごい酒の臭い…
足の裏は酒にぬれて、踏みつけたクリームにぺとぺとする。










ケーキの残骸をかき集めてなんとなく丸く置いて、コクコクと頷く。
それはもうなんだかわからない酒臭い白と黄色のふよふよした塊でしかなかったがひぃはなにか納得したらしい。

つぎはこの汚れたのをなんとかしなくてはとひぃはお風呂場に歩き出す。
お風呂は嫌いだった。だから、汚れたのを見つかってぎんときにお風呂に入れられるのはいやだ。
タオルで全部ふいてしまえばいいんだ。と、たたまれたふかふかのタオルを引きずり出す。
上の方につまれたタオルには手が届かない。
下から引っ張り出す。
無理にひけば失敗したダルマ落しみたいになだれてきたタオルに、ひぃは埋まった。
這い出して、とりあえずタオルは取れた、と頭をかしかし拭きだす。
クリームはのびていくだけだったがひぃはあまり気にしなかった。


「ひぃー?」
玄関でおれを呼んでる。
いまおれはいそがしいんだぞ。
用があるならぎんときがくればいいんだ。



玄関をあけて名を呼んでも、ひぃが出迎えに来ることなどまず無い。
まぁ猫なんてそんなもんだ。
つんとした態度で基本的に媚びない。まぁそこもかわいいんだが。
最初は預かりもののその猫をうざったく思ったりもしたが、今はなかなかかわいいなぁなんて思っていた


「ひぃ?」

カラッと居間の戸を開けて……

その惨状に、絶句した。
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