黒猫ひぃSS

□○●さん家の黒猫ひぃ(沖田編)
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「きゃわゆいっっっっ!!!」
屯所につれて帰り、まず局長に初顔合わせ、開口一番の局長様の一言はそれだった。

「きゃわゆい…ってあんた………」
やや引き気味に沖田が呟く。
当のひぃは沖田の背中に隠れて警戒色をあらわに近藤を見ている。

まあ、厳つくて、でかいオッサンがいきなり奇声を放ちつつくねっと身をよじったのを目の当たりにしたわけであるから無理も無かった。

奇怪なものをみるひぃの怯えたような上目使いはなんとも愛らしいが、怯えさせっぱなしにするわけにもいかなくて、沖田が声をかけた。

「大丈夫でぇ、ひぃ。この人見た目はこんなだけど、こんな人だから。」
「いや総悟、フォローじゃないよそれ?ちっともフォローになってないよっ?!」

警戒を強めたひぃに近藤が少し困った顔をして、食べていたたこ焼きをすすめた。

「食うか?ほれ」

「……」
無言でみつめて沖田をみあげる。
「いただきなせぇ。」
大丈夫だから…と沖田がそういえば、すそそっと遠巻きに近づきつつ、はくっと近藤の手元からそれをさらう。

もこもこと咀嚼するさまに近藤がまた「きゃわゆいっ」っと今度は小さく言った。

「もっとちょーだい」
こくりと飲み込んで近藤を見あげる。
「ほれ。」
完全にやに下がった顔で近藤がまたたこ焼きを差し出した。

あーあー、でれでれだよ…と沖田が近藤を見やる。
自分もこんな顔してひぃをなでたりとかしてるんだろうか…ちょっとそれは人に見られたくない姿だ。

「こいつ…変な食い方するなぁ…」
すこしぼーっとしていた沖田は、近藤のその一言にふとひぃを見やる、差し出されたたこ焼きの表面をひぃはぺろぺろと舐めていた。

「なんか、マヨネーズが気に入ったみたいですね…。」
まじまじとひぃを見る。
なんていうか、その小さい舌がとろりとマヨネーズを舐め取り、それが舌の上で溶けて…

まただ、ほんのすこしばかりどきりとする。
相手は猫だぞと自分に言い聞かせつつ、それをみつめる。
近藤はいたって普通で、そのひぃの様子に、こんな…自分が抱いているようなこんな感情などは無いようで、やはり自分がちょっとおかしいんだと認識する。

マヨだけ食いてーなら…と差し出したマヨネーズのチューブにがっとひぃが飛びつき、ふたの外されたそれから……中身がびゅるるっと飛び出した。

「ひぃっ!!?」
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