SS

□所有欲と自己主張
1ページ/6ページ


スッパ―ンと戸を開け放って唐突に沖田が侵入してくる。
執務室で書類を整理しつつ土方は調度茶をすすったところだった。
何事かとみあげる土方に開口一番、
「下だけでいい、すぐさま脱いでケツこっち向けてあげろ。」

ごふっうっっ!!おもくそ茶をふき出した土方に沖田はいたって真顔だ。

「げほっ…ごほっ…!!なっ何言ってんだオメェーはぁぁ!!?ってか書類駄目にしちまったじゃねぇかっコラァ!!」

「あんたが勝手に茶ぁまいたんだろぃ」
「キッパリとお前のせいだっ!!」

「いいからっとっとと言われたとおりにしねぇかいっっ!!」
ズカズカと間合いをつめる

書類のつまれたデスク越しの距離まで来た沖田が、デスクを回りこんで土方のところにたどり着く前に、土方も同じだけデスクをまわる。
ミニ周回レースになる。
それに終止符を打つべく土方が切り出した。
「そーーごっ!!落ち着けっ!なっ?!何があったのかいってみろっ!」

「あぁっ?何があったかだってィ?あんた今日の午後から近藤さんと旅行行くって―じゃねぇか!」
「旅行じゃねぇっ!出張だっ!出張!」

「同じ事でぇ!!」
「いや、全然違ぇし!!ってかそれと俺のケツはカンケーねぇだろ!!」
「おおありでさぁ!!」
「何がだよっ!?」


「浮気防止にアナルストッパーぶち込んどく。」
「なにそのまがまがしいのぉぉぉぉっっっ!!?」

沖田の取り出したソレに土方が思わず絶叫する。
「大丈夫でさぁ、かなり外すのにコツがいるごついのなんで、土方さんや近藤さんじゃあ外せねぇから」

「何にも大丈夫じゃないっっ!!」
にこやかに怖いことを言う沖田に全否定の土方。
「浮気の心配がなくなるじゃねぇですかぃ、貞操帯ってやつでさぁ。下の口を死守できますぜ。」
「むしろ俺は今お前から死守だよ。」

「大人しくしなせぇ…」
じりっと沖田が迫る、土方も本気だった。
「ざけんなこら、何にもしてねぇのにそんなことされてたまるかっ!」

「何言ってんでぇ…何かあった後ならこんなもんじゃあ済まさねぇよ…」
そう言った沖田が片手でけで指の骨をゴキっとならす。
ひくっと土方が引きつった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ