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□□square□‥‥序章[多角的渦]
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丁度下校してきた学生で街中のにぎわう時間帯か毎度のごとく学校にはいかずふらついていた高杉はゲームセンターから出て取り出した煙草に火をつける。
ふと視線を感じて顔を上げれば数メートル先、長身のいかつい男と目が合う。
それは、高杉の担任教員、今時めずらしい熱血漢の近藤勲その人だった。
「高杉ー!!」
人混みの中注目を集めながらも、大声を上げ突進してくるそれに露骨に嫌そうな顔をして高杉は迷うことなくきびすを返した。

ここ最近出席やら生活態度やらを熱く説教してくるこの男が高杉はうざったくて仕方がなかったのである。

「あれ、高杉じゃねぇか…」

「…土方?
逃走経路に立ちはだかる見知った顔、2年の時にはクラスが一緒だった剣道部部長の土方十四郎だった。

「トシーー!!高杉捕まえてぇぇl!」
「え、はい。」
向こうからする近藤の声に土方は何のためらいもなく高杉を押さえつける。

「土方テメェ!教師の味方か?!権力の犬!」

「俺はいつだって近藤先生の味方だ。」
悪びれずにそう告げる土方が高杉を放すことはなく、こうして高杉は近藤先生のお縄になったのである。
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