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□(仮)
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「ってか…なんで俺がこんなマネを…。」
「良いじゃない、銀さん。今日女の子足りなくて困ってたのよ。それに家賃持ってこなきゃ家に入れないってお登勢さんに鍵取られちゃったんでしょ」
ソファにどかっと寄りかかってぼやけば隣に座ったお妙が何時のも笑顔でそう言う。
銀時は紅を引き、いつぞやの女装姿で大股を拡げて座っていた。
「まぁなーでも何もこんなことやらなくてもいい気がする、主人公としてどうかと思う。」
「何言ってるの、一人殺すも二人殺すも一緒、一人殺せば犯罪者、一万人殺せば英雄よ。一度女装したんだったら何度やったって同じ、いっそのこと一万人斬りといきましょうよ。」
「おめーっ俺になにやらせる気だっ!!身体は売らねぇぞっ!!」
「大丈夫よ、銀さんケツ撫でさせときゃいいのよ。」
「いやだよっ!なんで俺がおっさんにケツなで回されなきゃなんねーんだっ!!」
「良いじゃない、男のケツは減らないからいいのよ。女の子のは駄目よ、翼だから。」
「何が翼だ…何がっ」
「いい?くれぐれも前は触られないようにね、ココにくるおっさん共は棒を求めてないの、穴よ。穴を求めてるの…だから銀さんが棒だとばれないように…」
「だぁぁぁっ!!それ以上言うんじゃないっ!!てめーそれでも女かっ!?」
ちっと舌打ちする銀時にお妙がさらに何かを言おうとしたときだった。
「お妙さん、ご指名です。」
「あ、はい、今行きます。ほら、銀さん…じゃなかった、パー子。私のヘルプについて頂戴。」
すくっと立ち上がったお妙に銀時、こといパー子はしぶしぶながらに追従する。
「おっ妙さぁぁああんっ!!!」
「ゴリラまた来たの。いい加減死ねっていってんだろ。」
にこやかに毒を吐くお妙の影からそっと客席を見やればそこには、お妙を口説き殴られる近藤と、面白くなさそうに煙草をふかす、…土方が居たのである。
「……っ!!!??」
思わずざっとソファの影に身を隠すも、それをお妙が許してくれるはずも無い。
「何してるの?パー子ちゃん、お席について。」
「……っ??」
銀時と、近藤土方が顔見知りなことなど知っているだろうにそんなことお構い無しにお妙はいつもどおりに微笑みながら近藤にチョークスリーパーをかけている。
それを半眼で見やる土方がちらっと銀時へと視線を向けるので思わず思い切りそっぽを向いた。
「…?なんだよ、その態度…?」
「ごめんなさいね土方さん?その子ニューフェイスだから客あしらいってのがまだ出来てないのよ〜」
「いや、あんたも出来てないってかいい加減近藤さん放せ。殺す気か…。」
にこにこと近藤にコブラツイストをきめながらお妙が土方へと銀時のフォローを入れるのに土方は冷静に突っ込みを入れた。
そして開放された近藤をお妙とパー子がはさむ形で座り、パー子の隣には土方と近藤が居るという席順だった。
近藤を立てる土方がお妙の隣に座らないのはごく当然とも云える。
「……火。」
「へっ??」
「…火ぃ…点けてくれネェの…?」
煙草を咥えた土方俯きがちなパー子へとそういう。
まぁ、こういうところなのだから、ごく自然な要求ではある。
土方は土方で、やたらデカイ女だとその向こう側を向いているパー子を見やった。