ブラザーズコンフリクト
□変わって見える景色
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〜♪
綺麗な歌声が聞こえる……
〜♪
心地がいい
なんだか光に包まれている感じみたい
・
・
・
『……う…ん…』
少しボーッとしながら目を覚ました。
『今、何時だろう…?』
……………
(メ・ん・)?
見間違えかな?
だって4時なんて…
ふと周りを見渡してみると……
外は茜色に染まっていた。
『…………………えぇぇぇぇぇーーーーー!?!?』
朝に寝てから今の時間までずっと寝ていたということになるの?なるのですか!?私どれだけ寝ていたのですかーーーーー!?!?!?
ガバッと起きて急いでリビングに向かった。
ガチャ…
『あはは……流石にこの時間じゃ誰もいないよね』
ガラ〜ンとした部屋に私の苦笑いだけが響いていた。
『あれだけ寝ていたんだし、みんなにだって用事ぐらいはあるんだしね』
私はベランダに出た。
『う〜ん!風が気持ちいいな!』
〜♪
いきなり頭の中に夢で聞いた歌が流れ出した。
(あっ…そういえば夢の中で誰かが歌っていたような……。たしかこんな感じだったような…)
『〜〜♪』
夢の中で聞いた歌を再現するかのように私は歌いだした。
茜色に染まる空の下で自分の声が響き渡る。
「光降る場所で〜Promesse〜」
微睡みをさらう やわらかな風
約束の草原に光の粒が降り注ぐ
蒼空を翔ける 白き鳥
その羽ばたきは 迷うことなく
高く 強く 真っ直ぐに光の中へ
全ては終わってしまった 消えない罪と悲しみを遺して
今 永い時間を超え 光降るこの場所で
あの日の誓いにそっと 寄り添い溶けてゆこう
『こんな感じだったかな?』
パチパチ
後ろから拍手の音がするので拍手が鳴る所に振り向くと
梓「凄く綺麗な歌声だったよ」
椿「ほんと!マジですげーいい歌声だった!!」
棗「おまえ歌がうまかったんだな」
風斗「お姉ちゃんって歌がうまかったんだね」
侑介「…………」
『そ、そんなことは//』
ってあれ?侑介くんが固まってない?
さっきから動かないよ?
風斗「馬鹿侑介なに固まってるの?」
侑介「………はっ!べ、別にか、固まってなんか「はいはいそういうことでいいよ」
なんて突っ込む風斗くん
なんだかんだで仲のいい二人だなって思いながら笑う私。
梓「あれ?月輝なんだか変わった?」
椿「あっ!ほんとだ!!!スゲーかーいい!!!!」
と言って椿お兄ちゃんが私に抱きつこうとしたので、私は電光石火の如く棗お兄ちゃんの後ろに隠れた。
椿「なんで!?しかも棗の後ろに!!」
棗「椿がこいつに抱きつこうとしたからだろ」
椿「そんな〜……それにしたって何で棗の後ろなんかに?」
梓「そうだね。どうして棗の後ろに隠れるのかな?棗、詳しい説明をお願い」
棗「お前ら……」
椿お兄ちゃんが「なんでなんで!?!?」と言いながら棗お兄ちゃんに接近してきたので、私はそっと侑介くんと風斗くんの所にいった。
風斗「あれ?どうしたのお姉ちゃん?」
侑介「さっきまで棗兄の所に行ってたんじゃなかったのか?」
『うん…そうなんだけどね…なんか大変なことになりそうだったから侑介くんと風斗の所に避難してきた。』