ぷちブラザーズコンフリクト

□そこにいたリス
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私は今、絵麻さんの飼っているリス……ジュリという名の子と一緒にいる。




ジュリはなんだか普通とは少し違う気がする。なんだか……兄弟たちが絵麻さんに近づいているときに何故か……睨む。




ただ私の勘違いなのかもしれないが
とりあえず私から見ると睨んでいるようにしか見えない…






そんな兄弟を睨む絵麻さんのペットのジュリと一緒にいる。





しかもジュリと二人?っきりだ。
みんな出かけていて家にいない。






なぜジュリと二人っきりなのかと言うと……私にも分からない。



水が欲しくてリビングに行ったら誰もいなくて辺りを見回していたらそこにジュリがいた。




そう…それだけだった。
ただ、なぜかそこから離れられなくなってしまった。






『……え、ええっと…君は確かジュリだったよね?前に絵麻さんから君の名前を聞いたことがあるんだけど…』






「…………」





『ち、違ったかな?ご、ごめんね…。あれ?でもやっぱりジュリで合っているような…?』








「キッー!」






『はいっ!ごめんなさい!』






なぜ謝ったんだろう自分…。


なんだか睨んでいる光景を見ていたから少し構えちゃうな…あはは。








『……はぁ……ジュリの気持ちが分かればいいのにな……』





そうすればこの寂しい光景から少しでも脱出できたであろうに…

なんだか私一人がかわいそうな人になっている。







やっぱり自室に戻っているかな
そう思って部屋に戻ろうとしたとき






「お前はちぃがよく話していた月輝とか言った奴だったな」




なんて聞こえた気がする。






『ちぃ?誰だろうそれ?』







ちぃとか言ったらジュリが驚いたような顔をしていた。






「お前!私の声が聞こえるのか!?」






『……私…幻聴でも聞こえるようになっちゃったのかな……』







「おい!こっちだ!聞こえるのだろう!






声が下の方から聞こえてくる…
まさかね…





「おい!無視するな!!」






やっぱジュリから聞こえる!!!




『ジュ、ジュリって喋れるの!?!?』






「やっぱり聞こえるんだな!お前を入れて『ちぃ』と『琉生』が聞こえるようだな」






この子こんなに上から目線なんですかね?実際はジュリは下から私を見上げているけど…







『琉生さんって…琉生さんも聞こえるんですか!?ジュリの声を!?』






「そうだ!琉生にも驚いたが月輝にも驚いたな」







大抵の不思議なことには慣れていたつもりですけど…これは驚きました…



しかも琉生さんがジュリの声が聞こえるなんて…






『世の中…面白いことが起きるものですね』






「ああそうだな!」







『とりあえず場所を変えません?こんなところで話すのもなんですし…』






「確かにそうだな」






とりあえず話す場所を変え私たちは世間話?的なことを話していた。







なんだか生命の神秘を見た気がした。

とりあえずジュリは…いやジュリさんは相当、絵麻さんを心配しているらしい。あの兄弟たちが何かするのではないかという不安でいっぱいだってことを私に話していた。




『つまりジュリさんが兄弟たちを睨んでいるのはそのためだったんですね』






「まったく、ちぃは警戒心が足りないんだ。だからあんなオスどもに…」




ジュリさんもどうやら苦労が絶えないらしい。





私はジュリさんの愚痴を殆ど一日聞かされていた。
きっとこれからも私に愚痴やらなんやら言いに来るのだろうか?




でもこんな不思議な体験はもしかしたらそう無いかもしれない。




私はこれからジュリさんとの会話が楽しみになってきたのであった。





今日はジュリさんとの初の会話
そして平穏?な一日だった。

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