メカクシティアクターズ
□メカクシ団
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暗い……
私は暗闇にいる
周りは暗い
足元も暗い
でも前の方に幽かな光が見える
私はそこを目指して進んでいく
それ以外の場所を歩くなんて多分無理
真っ暗で何も見えないから。
だから幽かな光を頼りに、目印にして進んでいく
そして光が次第に大きくなり始めて私はその光に飲み込まれる。
私は目を覚ます
『……………う……ん……』
目を開くとそこは知らない土地
見慣れた場所ではなかった。
此処はどこなのだろう
明らかに私が知っている所ではない。
私はさっきまで自分の部屋で寝ていたはずなんだけど……
そして、さっきの暗い場所にいた夢を見て起きたら……………知らない場所。
『……いったい何がどうなっているの?』
頭がうまく回らない
状況が理解できない
そして此処がどこなのか分からない。
でもひとつだけ言える事
ここは私のいた世界じゃないってこと。
なんでだって?
それは私のいた世界にこんなに多くの建物なんてないし、建物が少し違うし、歩いている人の着ている服がなんか違うし、季節は夏なんかじゃないし、何よりも壁?看板?から物が動いているなんてないから。
『ここ……どこ?』
「多分、異世界……じゃない?」
と言ってきたのは私のパートナーのゼファー。
『異世界?』
「だってこんなに物や着ているものまで違うとなると異世界しか考えられない」
『えーっと……それって簡単に決め付けていいの?というよりそんなにすぐに認めてもいいの?』
「別にいいんだよ?認めなくても。ただ、いくら考えたって状況は変わんないと思うけどね」
『うっ……おっしゃっている通りですね…』
「まぁとにかく、此処から離れない?なんか変な目で見られているような…」
『うん。私もそう思った』
なんかさっきから私たちの近くを歩いている人がクスクスと笑っている。
「早く行こう。この辺の探索を含め」
『そうだね。そしてゼファー…貴方は喋んない方がいいかも知れない』
ゼファーは普段、私の心の中にいる子竜なのだが、今はタイミングが悪いのか心の中から出てきている。
しかもさっきから喋っているから周りの人たちの視線が……痛い。
私はゼファーを連れてその場から立ち去った。