Housekeeper

□出来栄え
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あの見るも無惨な食事室は貴族らしい姿に変わり驚きを隠せない兄弟は唖然とするしかなかった。
「ふぅん。庶民にしてはなかなかですね。」
龍は琥珀を見る。
「ありがとうございます。」
琥珀は頭を下げる。
床の大理石の色なんてとっくに忘れてた猛も呆然とするしかない。
「久々に来たな。この部屋。俺たちの屋敷にシャンデリアとかあったんだな。」
「それは覚えておかねばならないことではないのか?猛兄さん。」
少し呆れ目に言った朔(はじめ)は少し驚いていたが慣れたのか普段の無表情と変わらない顔をしていた。
「珀ちゃんの仕事ぶりがですね!」
汐は蒼に琥珀の仕事の動きを事細かに報告してした。
「一つ皆様に申し出があります。」
「何だ。」
猛が代表して答える。
「汐から食事は各自の部屋で取るということを聞きましたが折角食事室があるならここで食事を取って頂いてもよろしいでしょうか。」
途端に騒めく。琥珀は続ける。
「私も家政婦なので食事を作ります。が、ここにしか持っていきません。今までの家政婦の方はどうしてたかは知りませんが各々の部屋に持っていく気などないので。」
しかし当然兄弟の半分は「いらねーよ!」と怒り出て行った。
「はぁ仕方ない兄弟だな。別にいいけど。さて、ここに残った方はここで食事を取ると認識でいいでしょうか。」
「うん!珀ちゃん、夕食楽しみにしてるね。」
「おう、任せろ!」
琥珀は照れながらウインクした。
残ったのは蒼、汐、匠、晟(あきら)、朔、樹(いつき)が残る。
「仲いいねー!」
樹は嬉しそうに笑う。
「ま、同い年だからじゃねーの?」
匠は頭を掻きながら出て行った。
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