long〜Timeless

□お約束通りの出会い
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あの日から私は臨也さんと気まずい日々を過ごし続けた。

いや、気まずいと思っているのは私だけなのかもしれないが。



臨也さんと暮らす上で私は家事全般を任されているが、それ以外やることもないので暇だ。


暇と気まずさを回避するため、ちょくちょく臨也さんの家を出て東京散策をしていたおかげで少しずつではあるが、東京の地形がわかってきた。(幸か不幸か、未だ臨也さん以外のデュラキャラに会ったことはない。)


迷わないのはスマホのおかげである。


今考えてみれば、時空を超えて(?)いるのに、通信機器が使えるというのはまったく不思議な話だ。




私がトリップしてきたのはちょうど春休みの時期に当たるようで、
臨也さんの信者と見られる少女達が定期的に出入りする。



ほら、今日も……


スーパーへ買い物に行ってそのまま帰宅すると、玄関に臨也さん以外の人の靴がある。


いかにも今風なごてごての靴を見るに、今日のお客様はギャルのようだ。


私はため息をついて、


「ただいま帰りましたよーっと…

―――――!?」


思わず買い物袋を落としてしまった。


臨也さんと信者と思わしきギャルがそれはもう熱いキスを交わしていたのだから。



―――卵を買わなくて本当に良かった



「やぁ、おかえり。早かったね。
知らないおじさんに着いてっちゃいけないっていう約束、ちゃんと守った?」

臨也さんは平然といつもの笑顔で言ってくる。


―――そんな約束お前とした覚えはねぇよ


ギャル信者は『誰だお前』とでも言いたげに私を睨んでくる。



定期的に信者を迎えるのはいいが、こんな破廉恥な所を見せつけないで欲しい。

耐性ゼロなのだから。


「年端もいかない女の子にそんなキスシーンを見せつける保護者は間違ってると思いますが」

私は買ってきた物を冷蔵庫にしまいながら言った。


「ほ、保護者!?」

ギャル信者と言えば、心底驚いたような顔をしている。

私を臨也さんの娘とでも思ったのだろうか。


もうこの前のような茶番劇をやるのは御免だ。

男のふりなどするものか。



「じゃあ、私出かけるので。お楽しみのところ邪魔してすみませんでした。」


そう冷たく言い放って私はマンションを後にする。


臨也さんが私の名前を呼ぶ声が聞こえたが、無視だ無視。


―――この心の痛みも、切なさも、全部全部無視した
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