暗殺少女
□第１話
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ペタン...ペタン...ペタン...
廊下に足音が響く。
いや、足音というよりも…なんていうか…触手……？
そして、教室に入ってきたのは…。
「HRを始めます日直の人は号令を！」
黄色い丸い……地球外生命体…。
えーと、体はあるんですけど……それは触手で…。
服を着ていて……。
そう。明らかに地球外生命体。
それだけは断言できます。
「…き、起立！！」
日直の渚くんが声をかけると同時に一斉に席を立つ。
―――それぞれ銃を構えて。
「気をつけ！！」
私達は殺し屋。
「れーーーーーーーーーーい！！！！」
そして一気に発砲する。
もちろん、実弾銃ではない。
むしろ実弾なんてものはこの生命体には通用しない。
通用しない―――らしい。
「おはようございます」
実際、クラスの全員で狙っているんだけど……全く当たらないです。
むしろいつもの顔でよけている。
「発砲したままで結構ですので出欠を取ります。磯貝君」
「………！！」
「すみませんが銃声の中なのでもっと大きな声で」
「…は、はい！！」
「岡野さん」
「はい！！」
「片岡さん」
「はい！！」
どんどんと皆の出欠を取る。
―――ハァ……いつまで私達はこんな事を…。
「中谷さん」
「………！…は、はぃ…！」
「すみません、もう少し大きな声でお願いします」
第一、私は声が小さいし、外見は目立つけど、中身はむしろ……小心者。ビビリ。
「……は、はい…！！」
「はい、遅刻なし…と」
ここで皆が撃つのを止めた。
主欠を取り終わったんだ……。
ハァ………。内心溜息をつきます。
しょうがないですよね。
だって、今日が初めてじゃないし。
私はいつも以上に眉を下げながら目の前の標的を見つめる。