暗殺少女

□第3話
1ページ/4ページ



「いたいた」

「今日のおやつは北極の氷でかき氷だとさ」

「コンビニ感覚で北極行くなよあのタコ」

「行くぞ。百億円は山分けだ!!」


そして皆が動き出した。


「殺せんせー!!」

「かき氷俺等にも食わせてよ!!」

「せんせー!」

「俺も俺もー」

「……おお」

(生徒達が心を開いてくれている!!
あんなにも笑顔で…こんなにも殺気立って!)


生徒達は一斉に対先生用ナイフを取り出し、殺せんせーに向かって一斉に切りつけた。


「でもね」


殺せんせーは一瞬で生徒達に何か≠した。


「笑顔が少々わざとらしい
油断させるには足りませんねぇ
こんな危ない対先生ナイフは置いといて」

「えっ…」

「花でも愛でて良い笑顔から学んで下さい」

「……!!ん?
ていうか殺せんせー!!この花クラスの皆で育てた花じゃないですか!!」

「にゅやッ!!そ、そーなんですか!?」

「ひどい殺せんせー。大切に育ててやっと咲いたのに」

「しかもこれ…最近中谷ちゃんが毎日お世話してる花じゃん…」

「えっ!?」

「あっ!中谷ちゃん!!」


そこへ、ジョウロを持った私が参上。

……タイミングが良いんだか悪いんだか…。
多分タイミングは良いんですよね…?


「中谷さん……」


殺せんせーは、まるで私が人殺しをしたかのような顔をして焦っている。

……いや。あの…泣きたいのはこっちです…。
ごめんなさい。

というか……


「シーリヌィ・ウダール……」

「へ?」

「はっ!?いやいや、あの…ロシア語で衝撃という意味で……」

「す、すいません!今新しい球根を…買って来ました」


殺せんせーは一瞬で球根を買ってきてしまった。


「マッハで植えちゃだめだかんね!!」

「承知しました!!」

「1個1個いたわって!!」

「はい!!」

「ほら!中谷ちゃんも一言言ってやんなよ!」

「え!?あ、あ…と…あの……」

「うんうん!」


皆の…期待の目が……。痛いです。

ごめんなさい。


「ご、ごごごめんなさい!」

「え?」

「中谷ちゃん!そこ謝るところじゃなくて怒るところだから!!」

「ひぃ!?ご、ごめんなさいぃぃぃ」


その間にも殺せんせーはスコップで穴を掘り、1個1個ていねいに球根を植えていく。


「なー…あいつ地球を滅ぼすって聞いてッけど」

「お、おう…
その割にはチューリップ植えてんな」

「……チッ
モンスターが良い子ぶりやがって」


寺坂君達が影から言っていたのも知らずに…。


「渚、何メモってんの?」

「ハァ…」


やっと開放された(というか、無理に怒れって言われてたんだけどね…)私も、渚君とカエデちゃんのそばに行く。


「先生の弱点を書き溜めておこうと思ってさ
そのうち暗殺のヒントになるかもって」

「…ふぅん」

「い、良いね…弱点メモ…」

「アリサだったら弱点ばっかりになっちゃうねー」

「えっ!?も、もうカエデちゃん…」


いくら私でもそんなに弱点はないよ……ないはず…。


「…で、その弱点暗殺に役立つの?」

「殺せんせーの弱点……か、カッコつけるとボロが出る…って……」

「……」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ