過去と今と
□第5話
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選手は、ソリストではなく、オーケストラの一員。
一人でも「僕は特別だ」と思ってしまったら、
もうダメなのです
――バレーボール男子世界ランク1位
ブラジル代表チーム
ベルナルド・レゼンデ監督
その言葉を知ったのは生憎、バレーを辞めた後だった。
別に、バレーが嫌いになったとか、そんなんじゃなくて……。
むしろ、バレーは今でも好きだし、大会だって、ビデオだって沢山見ている。
ただ、出来ないだけ。
他を凌駕するような運動神経も、私一人ではなんの役にも立たない。
自分ではどうしようもない感情が渦巻き、そしていつしか私は―――……
一人だった。