過去と今と

□第2話
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―――30分後


「――幸いにもとくにお咎めナシ、謝罪も要らない
――――――が、何も見なかった事にしろ。」

「「「「『…………』」」」」

「だがお前r「お前がちゃんととらないからだへたくそ。
何が去年とは違う≠セ
フザケんな。期待して損したクソが。」


影山が大地の言葉を遮る。


「いちいち一言余計だなっ」

「―――なぁ。少し…聴いてほしいんだけどさ。」

「「?」」

「お前らがどういう動機で烏野に来たかは知らない
けど当然勝つ気で来てるんだろ」

「ハイ!」
「勿論です」

「――烏野は数年前まで県内ではトップを争えるチームだった

一度だけだが全国へも行った

でも今は良くても県ベスト8
特別弱くも――強くもない

他校からの呼び名は―――

落ちた強豪飛べない烏=v

「「……」」

『……』

「まったく誰スかね、そんなポエミーで失礼な名前つけやがったのは!」

「烏野が春高≠ナ全国大会に出た時の事はよく覚えてる

近所の高校の…たまにそこらですれ違う高校生が東京のでっかい体育館で全国の猛者達と戦ってる

鳥肌がたったよ」

「!」

「もう一度あそこへ行く

もう飛べない烏≠ネんて呼ばせない」


その言葉を聞いた影山が口を開いた。


「…全国の出場を取り敢えずの夢≠ニして掲げてるチームはいくらでもありますよ」

「!?バッこのヤロッ」

「ああ、心配しなくても……

―――ちゃんと本気だよ」

「っ!…」


大地の真剣な表情に影山は体を揺らした。


「バカめっ」

「―――その為にはチーム一丸とならなきゃいけないし…
教頭に目をつけられたくないわけだよ。」


その瞬間、影山と日向の肩がギクッと揺れた。


「――俺はさ、お前らにオトモダチになれって、言ってんじゃないのね」

『(アレ?大地さんを取り巻くなにかが変わって…)』


すると菅原と田中が星那の肩を引っ張りささっと退散する。


「中学の時にネットを挟んだ敵同士だったとしても、今はネットのこっち側同士≠セってことを自覚しなさいって…

言ってんのね。」


「「!!?」」

『―――っ!!!?』


大地のその表情は笑顔ではなく、とても恐ろしい……表現出来ない程恐ろしい表情だった。


『(な、なんスかコレ…大地さん怖くないスか!?)』

「(まあ、怒らせない方がいいよな)」

『(…………コワ―――っ!!!)』

「――どんなに優秀な選手だろうが
一生懸命でヤル気のある新入生だろうが
仲間割れした挙げ句チームに迷惑をかけるような奴はいらない。」


大地は二人の顔に入部届けを貼り付け外へ放り出した。


「互がチームメイトだって自覚するまで部活には一切参加させない」


大地はバンッと扉を締めた。
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