§ Moon Memories §
□怪我するかもしれない。
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留衣は、手鏡を見てゆっくり目をつぶり、深呼吸して自身の瞳を見据えれば自室を後にし、突然 幹部達を集めた。
次々に現れる幹部達を他所に留衣は、下を向いて正座をするその姿は、どこか哀しみを帯びている様だった。
原「おい。 留衣!俺達を急に集めてどうしたんだ?」
留衣が 皆を集めたのにも関わらず、ずっと下を向いている様子に原田が質問をすれば、永倉もそれに続く。
永「 そうだぜ?なんかあるなら何でも言ってくれよ。」
幹部達から心配の声が聞こえてくれば土方は単刀直入に質問をする。
土「留衣、何があった」
留衣は、手をぎゅっと握り締め下を向きながら、静かに口を開く。
留衣『・・・・実は・・・・みんなにお願いがあるの・・・・』
平「 俺達にお願い?」
平助が質問を返しても、留衣は、変わらずに雲行きが怪しく変わらぬまま・・・・
そんな、ただならぬ留衣の姿に総司が痺れを切らし目の前に腰を下ろした。
沖「 分かるように説明してくれない?」
表情を確認出来ない今、総司にも留衣の考えていることが分からなかったのだ。
斎「 言いにくい事なのか?」
留衣は、そっと頷けば、まだ下を向いたまま小さく頷く。
留衣『うん、みんなが聞いてくれるなら言えるけど、ダメなら・・・・言えない・・・・』
幹部達は眉間に皺を寄せていた。
留衣は、未来から来ている為に余計な話は出来ないのであろう。
もしも言葉にしてしまい、自身達が納得出来ずに、留衣の頼みに答えられなかった時の事を考えれば、安易には口に出来ない・・・・
そんな風に言われている気がしたのだ。