Stage @

□始まり・・・・
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留衣は、携帯、財布を袖に詰め込んだ。



財布も、携帯も意味が無い気がするのだが《貴重品は持っておこう》何故かそう思う留衣。




だが、ここで 一つの疑問にたどり着く・・・・




『 不思議だよね? 着物はこんなにたくさんあるのに、ここには一切食べるものがないよ?』



人の気配すら感じないこの屋敷。それなのに身に付ける着物はたくさんあるのだが 食料は何一つとしてない。




まるで着物は、あらかじめ用意された物で《これを着て外に行け》と誘導するかの様に・・・・・・・



だが、今はそんな事を気にしても前には進めない。外へ出ない事には始まらない。



そんな気がして留衣は 深く頷き気合いをいれれば 部屋を後にした。





・・・・・・・・・・!!!???




改めて目に飛び込んで来た景色は、現代とは あまりに かけ離れていた。




(あたし・・・・本当トリップしちゃった。)




自分は本当に時代を越えたのだと思い知らされた気がした。



少し戸惑うように辺りを見渡せば、留衣は、もう一度 今の状況を照らし合わせ考えてみる事にした。



『 遠藤さんは、近藤さんの生まれ変わりで・・・・掛け軸が?・・・・光が・・・・?』




留衣の独り言は、宙に消えていく。





留衣『あ───!!!わがんない』



考えれば考えるほど頭から、煙が出てきそうで そろそろ あたしの脳は、完全に停止するんじゃないかと思った。




ただ・・・・ハッキリと今、分かるのは、遠藤さんが近藤さんの生まれ変わりで 掛け軸が光って そしてそのままタイムスリップしてきてしまった事くらいだ。




(ここ、京だよね? まさかの平安時代とかじゃないよ、ね?)




京の街と信じて歩きだす留衣は、少し心細さを感じながらも 歩いていれば 何やらたくさんの視線を感じた。





留衣『すっごくジロジロ見られてるけど何で・・・・??』




(´・_・`)???




着物を着て、ちゃんと時代に馴染んでいるはずの留衣には、何故ジロジロ見られているのかの理由はわからなかった。



(・・・・・・・・・・・・??)




だが、また《ぐぅぅぅぅうぅぅ》と腹の虫が騒ぎ出す。





留衣『とりあえず!甘味食べなくちゃ!!ご飯食べ損ねたし!!』




ここに来て ハッキリと留衣の最初の目的は決まった。思ったら行動あるのみ!の留衣は甘味処を目指して、歩き出した。



だが、場所も全然わからない留衣はひたすら真っ直ぐに進む。



(とりあえずは、真っ直ぐ進めばいいよね?)



とにかく前へ 前へと 悠長に歩いている留衣・・・・。



例え、辿り着けても自分にこの時代のお金が無い事も 全く考えてなどいないのだろう。




時代を超えても、どこか緊張感のない留衣が居た。
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