Stage @
□始まり・・・・
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留衣『え!? 吸い込まれたよ??? どこ??ここ・・・・。』
留衣『遠藤さ───ん!』
返事はない。ここには誰もいないようだ。
《し───────ん》
(あたしだけ?吸い込まれた??)
さっきの屋敷と見た目は似ているが、どことなく新しいような雰囲気が伝わってくる。
《ぐぅぅぅ〜〜》
人は何が起こってもお腹は減る。
留衣『外、出てみる?』
腹の虫を誤魔化すように口を開けば 一体 誰に話しかけてるのかも、分からない 大きな独り言をつぶやく留衣。
だが、吸い込まれたものは仕方ないと腹を決め 《早く帰らなくちゃ》そう、決意をし 外を見れば、留衣の動きが止まった。
(え・・・・・・ここ・・・・・・・・何時代????)
辺りを見渡せば街灯もなく電線もない。そんな光景を目にしてしまえば 色んな事が整理できずに、頭の中が停止しかけていた。
ただそれでも なんとなく理解出来た事は 自分が 掛け軸から時代を越えてしまった事・・・・
なんの根拠もないが、自分が何かの使命があって 薄桜鬼の世界へ来てしまったような気もする。
そんな使命感が留衣を前向きにする。
留衣『暗くなる前に、何とかしなくちゃ!』
辺りは薄暗くて時期に夜を迎えようとしていた。現代ならば街灯や電気もあるが、ここにはそんな物はなく暗さが一層にまた暗さを増していた。
留衣は、ふと自分の姿を確認すると、また独り言を呟いた。
留衣『どっちにしろ、まずは身なりだよね?』
いつも以上にお洒落をした留衣は 現代に居ても十分目立つ格好をしていた。
この身なりのまま外に行けば 目立つ所の騒ぎではない。
だが、そんな事を考えている中に ボフン!と、煩悩が過る。
(もしかして・・・・ここがトリップなら? 総司君に会えちゃったり?生で見れちゃったり?)
まだ、何時代に居るかも分からないのに、実に緊張感のない留衣は、妄想に走る余裕さえあるようだ。
頭の中でそんな事を考えていれば、自然に顔がにやけてしまう留衣。
ニヤニヤが おさまらない ご様子。
これが俗に言うトリップなのであろうか・・・・
『キャハ〜♡♡ 総司君・・・・・・・・//// 』
と、目を瞑ってみたは良いものの、あまりの静けさに我に帰る。
留衣『 て、考えてる場合かー!』
また冷静な考えで、能天気な自分に突っ込むのだが、ここには留衣、一人である。
咳払いをし《格好をなんとかしたい》と、冷静に考えた 留衣は疑問を浮かべた。
(でも、あたしここで何すればいいの・・・・?)
先程の使命感は、あっさり打ち砕け、目的が分からない留衣は 何をしていいのかも分からずに不安の色を浮かべていた。