Stage @

□勘違い。
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朝────。

《チュンチュン♪》



鳥の声が清々しい朝を知らせる。




留衣『遅刻するーーッッッ!』



《はっ・・・・》



パッと天井を見上げると自分の部屋ではない事にため息を吐いた。



(そっか・・・・。そうだよね。)



今、留衣は新選組の屯所に身を置いているのだ。どうやら この状況は夢ではないらしい。



沖「 いつまで他所の家で寝てるのかな?」



パッと声が聞こえた方に目を向けると、柱にもたれかかる総司の姿があった。



沖「 君ってさ、緊張感ないよね?」



留衣『・・・・ゔっ。』



何も言い返せない留衣。



だが、寝起きに総司である。目覚めたら、優しい総司の声に起こされて夢のような贅沢なシチュエーションと思いきや、真っ黒な攻撃を受ける現実・・・・。



だが、寝起きに沖田総司・・・・。



留衣は 一人 葛藤しているが総司はそれを他所に食事を床に置くと その場をそそくさと立ち去ろうとした。




留衣『あ!あの・・・・これは?』



留衣は総司が運んできたお膳の方を見て首を傾げていた。



沖「 何でわざわざ僕が平助の食事を君に渡しに来ないといけないわけ?」




留衣『平助君の食事?』



なんで平助の食事が留衣の元にあるのか??


そう言われた意味が分からずに首をまだ傾げていた。



(ん?これは?平助君の食事なの????)


再び考え込んでいると総司は目を細めて続きを付け足した。




沖「 だから、君の分って事でしょ?」



(わかりずらっ・・・・!!!素直に君の分だよ。とか言えないのぉ?( ;∀;))



思わず心で突っ込む留衣。



沖「何か言った?」



留衣『あ、いえ。 何でもないです・・・・』



(心を・・・・? また読んだ?)



留衣は 普通に返事を返しているが声には出してなどいない。



【 読心術】である。



「とにかく君の分だからね?」と告げると総司は去って行った。



(最初から分かりやすくそう言って欲しい)


そう強く思う留衣だが、総司にとっては これもコミニケーションの一つなのだ。



はぁ〜と、軽い溜め息をつくと 食事を運び直し お膳と向き合う留衣。



複雑な心境のまま食事に手を付けていった。


そして色々を考えながら、目の前のおひたしを口に運んだ。
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