Stage @

□ハジマルョ・・・・
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土「 この屋敷か?」



留衣『 あ!そうみたいです!』


屋敷の前に立つ二人。屋敷をちゃんと見るのは初めてだった。



遠藤に、連れられて来た時とは印象が かなり違う感じを覚える留衣。



誰か居るのだろうか・・・・?


何かの違和感が留衣の脳裏に過った。そんな事を思うと少し気が引けてしまう。



留衣は着物を勝手に借りてきたままなのだ。



そんな留衣の様子が分かったのか土方は口を開いた。



土「 入るぞ 」



なかなか屋敷に入って行かない留衣を横目に自分が先に中に入っていく土方。


慌てて留衣も、その後を追って行った。



土「 何にもねえな。しかし誰も住んでる気配がねえよな?」



色々着替えがあった筈なのに、何故か留衣の荷物だけが、部屋にポツンと置かれていた。



留衣『あれ?部屋間違えた?』



そう口にすると、土方は不思議そうな留衣に質問をした。



土「 どうした?」



留衣『 あったはずの着替えと言うか、着物がないんですよ』



土「 見間違いじゃねえのか?」



見間違える訳がない。


今留衣が、着ている着物は紛れもなくこの屋敷から調達したものなのだ。


この着物に着替えをしなければ外を歩けなかったのである。



留衣『いや、あたし・・・・ここでたくさんの着物の中からこれを借りてて・・・・』



自分が着ている着物を掴みながら土方に見せた。



そして荷物を手に取ると・・・・



留衣『あ、あたし自分の世界から、これ着てきたんですよ』



ほら!!と自分が現代で着ていた洋服を土方に渡した。



土(変わった着物だな・・・・ん?すごくいい香りがするな。)



土「これは、香か?」



留衣の洗濯物の匂いに興味を示す土方。



留衣『柔軟剤って行って、洗濯するときに服を柔らかくしたり、匂いをつけたりするものですよ 』



「珍しいもんが、あるんだな」



そう土方が呟くとまた違う部屋に行き屋敷の中を一通り見てみた。



だが、屋敷を一通り見たものの何もなかった。



不安になりながらも留衣は、消えるような声で話し始める。



留衣『 あたし、ここで寝泊まりしたらダメですかね?』




土「あ?ここには何にもねえだろ? それよりも 1人で大丈夫なのか?」




留衣『いつ帰れるか分からないし・・・・とりあえず働こうと思うんです。』




土「そうか・・・」




留衣の発言に小さく呟く土方・・・・
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