Stage @

□温度差
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今日は、寒さが余計に身に沁みる日だった。


(屯所がざわついてる・・・・?)


不思議に思う留衣は、首を傾げて辺りをキョロキョロとしていた。


『あ!一君』・・・・留衣は斎藤の姿を見つけ駆け出した。


留衣『今日は、なんかあったの?』


ざわついてる事に疑問を覚え質問してみたが・・・・

斎「 留衣が気にすることは何もない」


なんて言葉が返ってきてしまう。

歴史も、薄桜鬼もさほどの知識しかない為 これから起こる事がさっぱり分からない。

幹部達とは仲良くしているのだが、任務や隊務に関しては【関わらなくていい!】と、留衣には何にも知らされなかった。

改めてそれを実感してしまえば疎外感が留衣を襲う。

その後、留衣は一人で縁側でボケ〜っとしていた。


近 「 今日は、元気がないなぁ!どうしたんだ??」

そんな言葉を投げかけると近藤が留衣の隣に腰掛けた。


留衣『あ!何でもないですよ!』

慌てて無理に笑顔を作る留衣を見て近藤は柔らかく微笑んだ。

近「俺の前では無理などしなくていいんだからな!」


遠藤と同じ事を言ってくれる近藤。


遠藤が頭に浮かべば留衣は少し力を込めて拳を握った。

(あたしは、自分の事は何にも進んでないじゃん、掛け軸の謎・・・・)


留衣『近藤さん・・・・ありがとうございます。』

ニッコリ留衣は、笑った。


( 新選組の皆には、皆の抱えるものがある。

あたしには、あたしの抱えるものがある。

全部をやろうとしたって無理なんだ。

だから、皆 今を模索しながらも 一生懸命に生きてるんだよね)



何かを考えてる留衣に 近藤はもう一度 視線を合わせ心を投げかける。


近「 生きていれば色々ある。でも何かの意味があって人は巡り合う・・・・そうだとは思わないか?」


《おほん》と咳払いをすると少し照れたような顔を浮かべた。


近「まぁ、小さい事は気にしちゃいかん。いつも笑っていてくれ。留衣君が居ると屯所内が明るくなるからな」


そう言って優しく頭を撫でてくれた。

(優しいなぁ。近藤さん・・・・。意味があるかぁ・・・・。)


そんな言葉を聞けば留衣は思い切って自分の疑問を尋ねてみる事にした。


留衣『 近藤さん?掛け軸で言い伝えみたいな?伝説みたいな?そんな話聞いたことないですか?』

本人に聞けば何か前へ進める気がしたのだ。

近「う〜ん。掛け軸の伝説かぁ・・・・すまんなぁ。俺も聞いた事はないな」


だが、返って来た言葉は 予想外れの物だった。


留衣『 あ!あたしこそ、変な事聞いてすいません!』


近「ははは!気にすることはない!!」

留衣『色々ありがとうごさいました。何かスッキリしました!』

お辞儀すると留衣は、自室に戻った・・・・。
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