Stage @

□歯車
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留衣は、いつものように 千鶴と自室で食事をしていた。


その時・・・・


少しの物音もせず、何かの気配を感じれば部屋に総司が立っていた。


《びくっ!!》


あまりの突然の出来事に、留衣は驚きを隠せない。


障子が開く音さえしなく立っていたのだ。 留衣が びっくりするのも無理はない。



沖「何を驚いてるの?僕をお化けと同じ扱いにしないでくれるかな?」


留衣『いやいや!気配なく立ってたら普通は驚くでしょ!?』


総司は、一度クスッと笑うと部屋に訪ねて来た要件を留衣に話し出す。


沖「土方さんが 留衣ちゃんを呼んでたよ」



留衣『うん!行ってくるぅ〜!!ありがとね』


総司が笑いかけてくれた事が嬉しくて、また昔みたいなやりとりが出来た事も、そのどちらも凄く嬉しい留衣は 久々に極上の笑顔でニコニコと部屋を出た。



総司も、留衣の自分に対する態度が普通ではないのは分かっていた。


だが、いきなり距離を取られるようになった事に自分自身は思い当たる節が全くなかった。


もしあるとするならば、思い浮かぶのは土方と留衣が仲がいい事くらいだった。


留衣の笑顔を久々に見た総司の表情は色を失っていく。


あの笑顔は、自分に向けられたものではない。



(最近、僕を避けて素っ気ないのに、土方さんに呼ばれてるなんて言ったら あんなに嬉しそうな顔するんだ。そんなに土方さんが好きなわけ?)



総司に完全に誤解されてしまう留衣。


歯車は一度狂うと修正は難しい・・・・



留衣が土方の部屋に入るとそこには土方と山南が居て 「出張が・・・・」と、難しい話しをしていた。



『あれ?・・・・取り込み中!?』



土「今は立て込んでる。話は明日でいい。呼んじまったのに悪かったな」



そう言われると、留衣は『分かりました〜〜!』と笑顔で土方の部屋を出る。



(きゃぁ♡ 総司君とまた話せる〜♡)


そんな事を思って総司がいる自分の部屋へルンルンで戻ると、時間は立っていない筈なのに総司は部屋には居なかった。



留衣『あれ?総司君は?』


千鶴に聞くと留衣が出て行ったと同時に不機嫌になって行ってしまったらしい。



(ん?さっき不機嫌だったっけ??)


留衣は、疑問を感じ 自分が居なくなった後に『何か話したの?』と千鶴に聞くが、何にも話してないとの事だった。


総司は見た目が誤解されやすい。



千鶴も誤解したのかな?と、軽く思えば布団を敷き早々、寝床につく留衣。



まさか この不機嫌の理由が自分だとも気づかずに・・・・


この日がキッカケに二人の間に何かが起るなんて事も全く分からずに・・・・留衣は、深い深い眠りについた・・・・。
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