Stage @
□見つけた。
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(そ・・・・そ・・・・そ・・・・総司君・・・・)
夢にまで見た動くその姿に目を見開き固まる留衣。
だが、ジッと見る事は出来ないので、チラッと総司を見ると、留衣の感情が溢れ出して来てしまう。
(ゔっ・・・がっごぃ゛ぃ゛・・・・/// ぎゃ・・・・がっごい゛い゛・・・・/////// )
自分の顔がどんどん許可なく歪んで来てしまうのが分かる。
生の破壊力が凄まじいのだ。
大好きな総司が目の前に居る。
それだけで心臓がドキドキと高鳴り 鳴り止む事を知らない。
《カチャ》
留衣が 余程怪しかったのか、刀を抜いて殺気を放ってきた彼の名は・・・・
《新選組 一番組 組長 沖田総司》
留衣の意中の彼である。
《ビクッ》
確かに今の留衣は確実に怪しい。
(うん、総司君は間違ってない)
あまりの殺気とイケメン具合が重なれば、もう息をするのも精一杯な留衣。
(く、く、苦しい・・・・)
言葉には出来ないが、心の声が今にも爆発しそうなのだ。
( でも、やっぱり最初から仲良くなんて出来る訳ないよね? なんか・・・・泣けてきた・・・・・・。いきなり!斬る!なんてさ・・・・本物の総司君・・・・の登場に・・・・・・・・限界超えて気絶しそうだ)
《そっちかい!!》
もはや、天の声が突っ込みたくなる次第である。
総司の殺気なんてモノはお構いなしにキュンキュンが止まらない留衣。
沖「ねぇ一君?こんなに怪しい子、この場に残していける訳ないよね?一君の大好きな副長に報告した方がいいんじゃない?」
(いやいや、一君は・・・・そんな言葉に・・・・乗る訳・・・・)
斎「そうだな。」
(乗るんか────い!!)
期待外れの言葉に心で思わず全力で 突っ込んでしまった留衣。
斎「・・・・すまぬが、屯所まで来てはくれないだろうか。」
(・・・・一君て・・・・やっぱり優しいなぁ・・・・。)
心の中で思えば留衣は、黙って頷いた。
沖「あははは〜!一君は、優しいよね?この子に許可なんていらないでしょ?」
爽やかに笑う総司・・・・。
(でたぁぁぁぁ!!ドS・・・・・・・)
だが不覚にも また萌えてしまう留衣・・・・・・。
総司は、斎藤を茶化すように笑ったのだが、留衣を冷たい目で見ると 先程とは違う殺気を含む。
沖「君には、聞きたいこともあるしね?」
笑いなど一切ない凍りついた目で留衣にだけ聞こえるようそう呟く。
留衣『・・・・・・・・』
今までとは違う総司の本気の殺気に全身が凍りついた。
総司の本物の殺気の凄さを思い知らされた瞬間だった。
( 警戒されてんだろうね・・・ 当たり前かぁ・・・・・・・)
分かっては居たことでも自分が見ていた総司との温度差を感じる。
色を失った総司の本物の対応に、やけに心細くなる留衣だった。