Stage @
□勘違い。
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急いで着物を羽織り帯は我流で結び部屋を出ると 土方の部屋に急ぐ留衣。
<土方を待たせてる>
そう思うだけで急がなくちゃ!と自己防衛に似た何かが瞬時に働く。
《たたたたたたっ…》
《たたたたたたっ……》
《たたたたたたたたたたたたっ……》
《だだだだだだだだっ………》
『はぁ〜・・・・はぁ〜。』
留衣『土方さんの部屋どこおぉぉぉ?』
息切れしながらそう叫ぶ留衣は、肝心な土方の部屋が分からなかった。
慣れない屯所は、みんな同じ部屋に見えるのだ。
(この状況はやばくないですか?)
部屋で待つ鬼の血相の土方が脳裏に浮かぶ・・・・。
(怖っ・・・・とにかく、探さなくちゃ・・・・)
変な焦りを感じ、ひたすら屯所内を走り出す留衣。
《だだだだだだだだっ…》
廊下の角を曲がると、見覚えある顔に出会う。
《キキキキキ───ッッッッ!! 》
急ブレーキをかけて止まる留衣。
斎「留衣!!まだ副長の所に・・・・『部屋が…《はぁ…》わかり《はぁ〜》ません 』
斎藤「(なにゆえ、ここまで息を切らしている) 」
斎藤は、留衣の息切れが不思議だったのであろう。
疑問を抱きながらも 副長を待たせる訳にはいかないと思い、「ついてこい」そう吐き出す。
息を少しずつ整えながらも、テクテクと斎藤についていく留衣。
『ぜぇ ぜぇ・・・・(こんなんだったら、最初から聞いておけばよかった・・・・・・) 』
斎「 副長の部屋は、ここだ。」
(え・・・・・・・・)
留衣は、部屋を見れば辺りを見回して激しく肩を落とした。
留衣『隣ぢゃん・・・・・・・』
自分のアホさが嫌になる瞬間だった。
斎「 留衣は、どこを彷徨っていたのだ?」
留衣『 あたしは、彷徨える青い弾丸です。』
意味の分からない事を伝えると斎藤は、何かを察したのか・・・・
斎「 副長、よろしいですか? 」
スルースキルを発動した。
留衣『・・・・・・・・・・・・。』
江戸時代にB'zは、高度な会話だったらしい。
まぁ、当たり前の結果である。