Stage @

□勘違い。
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留衣『 そ、総司君!?』



なんの突撃隊だ!!!と、言わんばかりの障子の開け方で登場したのは総司だった。



総司は二人の姿が目に入ると口元に三日月を描いた。




沖「あれ?邪魔しちゃいましたか?」




悪戯な笑顔で帯を直してもらっている留衣を挟むように土方に近づく。




土「何が邪魔しちゃいましたか?だ。ずっとそこに居たんだろうが」




沖「 やだな、土方さん僕をずっと見てたんですか?」




土「 それはてめえだろうが!!」




二人のやり取りを、間に挟まれたまま 留衣は、ぽかんと口を開けたまま、ただ見ていた。




土「 用事はなんだ」




沖「 巡察が終わったら留衣ちゃん借りますから」




土「 ああ わかった。」




(・・・・え??話が見えませんが。借りる・・・・?土方さん?何が分かったの?)




それだけ言い終わると総司は、去って行った。




《スパァァァァァァァァン》




土「 ったく!静かに閉めやがれ!!!!」



留衣は不思議そうにはしているが【ある事】が脳裏によぎる。




(ぬふふふふふふふ・・・・(〃艸〃))




あからさまに にやけている留衣に罵声が飛ぶ。



土「 座れっっっ!!!!」



《・・・・びくっっ》



よからぬ事を考えていた留衣は、土方の罵声に驚き肩を跳ねて飛び上がる。



(あたし 今悪い事した?・八つ当たりだぁー(;o;))



留衣の言う通り場を読めない留衣からしたら 明らかに 八つ当たりである。



留衣は、少し頬を膨らませていたが、大人しく座り直すと髪型も綺麗に結い直してくれた。



機嫌が悪いのとは裏腹に髪を触る土方の手付きは、すごく優しくて 、頬にほんの少しの熱が集まる。




留衣は、ここにきて 外に出掛ける為に この部屋に呼ばれた事に今更ながら気付けば ニコリと笑みを漏らしながらも 恥ずかしさを隠すように唇を尖らせる。




(あっ、土方さんは この為に呼んでくれたんだね)




着付けも終わり、綺麗に髪も結い終わると土方はどこか照れ臭そうに話し始める。




土「 見れるようになったな!」




留衣『あ・・・・はい!ありがとうございます/////』



先程までの殺気はなくなり、自分の方へ留衣を向き合わすと、目を細める土方はゆっくりと口を開いた。




土「 別に取って食おう!なんて思っちゃいねえよ。 留衣は、隊士でも何でもないからな。素でいろ!ただし客人扱いはしねえからな? 」




(気をつかうな!て事かな・・・・)




あまりに土方が綺麗に笑うので少し気恥ずかしい留衣は、戯けた様子で言葉を返した。



留衣『 優しいなぁ、土方さん。いや、気を使わないなら・・・・是非 トッシー☆』



土「 あ?トッシー?トッシーはやめろ!・・・・・・・・行くぞ!」




当たり前のように却下されると、ちょっぴり肩を落とす留衣だったが・・・・




留衣『は〜い!』



素直に返事をすれば、留衣の頭に過ぎっている事。



憧れの【あれ】との遭遇だった。



(しししししししっ。 いつかやろう!!絶対!あたしも!!)



土方は嫌な予感がしたのか怪しく笑っている留衣を無視して足早に先に部屋を出ていった。
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