Stage @

□歯車
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次の日の朝。


土方の部屋に約束通りに訪れた留衣。


留衣『土方さん?山南さんと出張が何とかとか話してませんでした?』



土「ああ、近々大阪に行くつもりだ」


・・・・・・・・。


(山南さんが・・・・確か怪我しちゃうんだよね)



土「 どうした?それが何かあるのか?」



『何でもないですよ』



そう静かに笑って答える留衣


怪我の事は言えなかった・・・・


歴史も、新選組の事も、全然知らない自分が口を出していいのかが、分からなかったのだ。


この時の留衣は、深入りする事が怖かったのだろう。


空気を変えようと おちゃらけてみる留衣。



留衣『ねぇ??とっし〜?』



土「なんだよ!」



留衣『ぷっ・・・・返事するんだ〜』


土「お前が しつこいからじゃねえか!」

完全に調子に乗った留衣は怪しい顔を浮かべてさらなる攻撃を仕掛ける。


留衣『ねぇ・・・・歳り〜ん?』

土「・・・・・・・・」


土方は、付き合いきれないと思い留衣を完全に無視する。


留衣『そこは無視ですか? あ!!分かった! そっか!トッシーのが 気に入ってるんだ??』


土「うるせえ!用事はなんだ!」


(´-ω-`)


当たり前のように殺気が返ってきたのだが、留衣は 本来この部屋を訪れた理由を考えた。


留衣『て言うか、あたしを呼んだの土方さんじゃん』


土「あ!そうだったな」


(危ない 危ない!!今、危うく罪がすり替わる所だった!)


二人は目的を思い出したが、留衣は土方にある質問を試みた。


留衣『ねぇ!土方さん?掛け軸とか 言い伝えとか聞いた事ある?』


土「なんだ!急に・・・・」


留衣『それがないと あたしいつまでも帰れないんだと思う・・・・』


少し無言になる二人・・・・。


土「・・・・帰りてえのか?」


・・・・・・・・・・・・


またそんな問いかけに一瞬 無言になると、話しを続ける・・・・


留衣『あたしは本来ここに居るべき人間じゃないですからね〜ぇ。 あははは〜!』


自虐的に笑う留衣を見れば土方は、《はぁ〜!》と溜息をつき目を細めた。


土「そんな事は、誰も気にしてねえよ、らしくねえな・・・・」


留衣『そうですかぁ?』


と、言うと・・・・留衣は首を傾げていたが、そんな土方の言葉に甘えて、いつもの留衣が姿を現した。


留衣『じゃ、辛気臭いのはやめて〜!土方さんの句でも詠んでいいですか?』


土方はそんな留衣の表情を見れば少しの青筋が浮かび上がる。


留衣『梅の花!』

土「あぁ!うるせぇ〜!」


留衣『キャハハハ・・・・///一輪咲いてもッッッ!』


土「ちっ・・・・やめろ!じゃあ!今度は俺の用事だ」


そう言うと真剣な眼差しでこちらを見る土方。


その瞳からは逃げられない空気が留衣に伝わってきた。
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