吸血夢
□ドS兄弟とドS少女
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夜間学校も終わり、逆巻兄弟6人と居候中の名無しさんは帰りのリムジンの中にいた。
「アヤトくんって、バスケになると本気出すんだねー。見てて楽しかったよ」
「滑稽でしたよ。ゴール外したときのアヤトの顔ときたら」
「っせぇな!勝てたんだからいいだろーが!」
騒ぐ三つ子に次男のレイジが溜息をつく。
これ以上騒ぐな、とでも言いたそうな顔だ。
「テメー、レイジ!何だよその顔は」
「鬱陶しいんです。子供ではないんですから、騒ぐのは止めてください」
はぁー、と大きな溜息をつき、アヤトから視線を外した。
「すみません名無しさんさん、騒がしいですね」
ずっと黙りっぱなしの##NAME1 ##が気になったのか、珍しく彼女の心配をするレイジ。
そんな彼に気づいたライトはニヤリと口元を歪めた。
「あー、レイジくんったらー。
ビッチちゃんの心配してるー!」
「………私をなんだと思ってるんですか」
んふ、と独特の笑みを零したライトは「別にー」と言葉を濁した。
「で、ビッチちゃんは何?そうやって無言を貫いて僕らに気にしてほしいのかな?」
レイジに興味をなくしたらしいライトは名無しさんに向き直り、口角を上げた。
その拍子に見えた鋭い牙に名無しさんは俯く。
「………違います。変な考えにもっていかないでください」
俯いたまま小さく呟いた彼女の姿に、隣に座っていたアヤトが反応した。
「じゃー俺様ならイイんだよな?てか嫌なワケねーよなー」
自分に都合の良いように解釈し、機嫌も良くなったらしいアヤトは名無しさんの肩を抱いた。