☆短編集☆
□水族館
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あの後の花梨もヒートアップして凄かった。
シャチやらアシカやらの動物達を見る度に俺の腕を引っ張って走り回る。
疲れた俺達はカップルには似合う雰囲気が良い噴水広場に来ていた。
『はぁ〜!!楽しかった〜!!水族館最高!!』
花梨は両腕をうーんと言いながら疲れをとるように伸ばすと、グタリと俺の肩に寄っかかった。
俺は突然の事に、少しよろめく。
『修也君、楽しかったね!!』
「あぁ。そうだな」
寄っかかった来た彼女の肩を抱き寄せると、花梨はびくりと震えたが、すぐに気を落とす。
それ程、俺が何もしないと思ってるんだと思うけど、俺だって一応男だからな……?花梨。
そう思ってると、花梨はうっとりと水の反射で輝く噴水をロマンチックそうに見ている。
やっぱり、女の子はこんな所が好きなのかもな…。
『ここの噴水、キレイだね』
俺が思ってた通り、返事をしてきた花梨に思わずぶはっと噴き出す。
花梨はそんな俺を見て、きょとんとしている。
『何笑ってるのよー!修也君!!』
花梨がぐんぐんと俺の腕を引っ張りながら、笑っている理由を聞く。俺は静かに口を開いた。
「いや、俺が思ってる事を言うんだなと思ってな」
クククッと喉で笑いながら、口元を手で抑えて口角をあげる。
『それって以心伝心って事だよね!!』
「あぁ、そうだな」
花梨がふふふっと笑いながら俺に強く抱きついた。
俺はそんな彼女を愛おしく思いながら、彼女の無防備の唇にそっとキスをした。
俺達のデートは水族館から………。
☆Eed☆