*国金物語

□実験は成功したもようです
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好きな人に好きな人の好きな物をあげたら喜ぶのは当たり前だ。

それがずっと欲しかった物とか探していた物だったら尚更だし、
くれる相手がよっぽど嫌いな人じゃなければ喜んで受け取るだろう。


でも、それじゃわからない。


自分からもらったから喜んでくれてるのか、
好きな物をもらったから喜んでくれてるのかわからない。


だから俺は、


「金田一、これやる」


時々、金田一が全く興味のない物や好きじゃない物をあげている。


「またかよ。
つーかこれ、この前もらったやつじゃん」


「この前のはマカロン。これはシュークリーム」


「いらないなら別のお茶買えって。
オマケが付いてないやつ」


「このお茶に今ハマってんだよ」


好きな物を受け取るのは当然だ。
誰だって嬉しい。


じゃあ好きでもない物を受け取るのは…?

少なくとも嫌われてはいない証明になると思う。


実は誰かにあげたり捨てたりしてるのかもしれないけど、
受け取ってもらってるだけで少し安心する。


クッキー、ドーナツ、板チョコ、マカロンに今回はシュークリームと
このままのペースでいけばコンプリート出来るかもしれない。

こんなにも可愛らしいミニストラップを金田一はどうしているんだろう…?


それも実験の一つ。


身に付けたりしなくていいし、
部屋の机の引き出しにしまっててもいいから持ってて欲しい。


俺があげたやつだから、なんて最強の理由だし

何よりこれは、


「あ!シュークリームって花巻さん好きだよな!」




…そうきたか
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