*及岩物語
□みんなの為でもあるんだよ
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「及川さん、今日は何時に終わるんですか?」
「今日はねーいつもより遅いかな」
って本当はいつも時間通り終わるけど…
青葉城西高等学校バレー部は基本的に見学自由。
部活の妨げにならなければ体育館の出入り自由。
まぁギャラリーの9割は俺のファンだから俺が原因で出来た決まりのようなもの。
そして、その決まりには続きがあって見学OKは部活前半と後半の間にある休憩時間まで。
それ以降は出入りも出待ちも禁止。
それでも時々こうして部活が終わるのを待とうとする子もいて…
「女の子が遅くまで外にいたら危ないよ。帰りとか心配しちゃうし。
待とうと思ってくれるのは嬉しいけどキャプテンとしてやらなきゃいけない事もあるから
休憩時間までしかみんなと話せないんだ。
ごめんね、今日も応援ありがとうね。気を付けて帰ってー」
誰に何を言われても休憩時間が終わると同時にこんなセリフを言いながら全員を送り出す。
嘘をついてるわけじゃないけど本音でもない。
別に集中できないわけでもないし。
好みの子がいてもカワイイ声援があってもバレーをしている時は何も入ってこない。
だから、誰がどこにいつまでいようと関係ないんだけど
「及川、帰るぞ」